冷静な判断
- 2022年07月10日
6月22日から始まった参議院議員選挙、その選挙戦が終了し今日が投票日です。
その投票日が二日後に迫った8日、安倍氏が凶弾に襲われ67年の生涯を終えました。
私は昨日のブログで書いたように安倍氏の政治信条、政治姿勢、政治手法とは相容れない立場です。
テレビでは、安倍氏の功罪というよりも、その功績を称えることに番組の多くの時間を割いているように見えるのは私だけでしょうか。
各国の元首からの弔意は、どれも安倍氏が素晴らしい政治家だったと褒めそやしますが、中には、それが本気では無く故人に対する礼儀、いわゆる社交辞令であるだろうと思われるものも散見できます。
安倍氏は在任中、「地球儀を俯瞰する外交」と称して、62ヶ国・地域(延べでは83ヶ国・地域)を訪問しており、これは歴代1位となっています。
ただ、1国の首相が手ぶらで訪問することはほとんど無く、必ず手土産を持って訪問します。ここで言う手土産とは、日本の扇子や陶器などだけではなく、途上国には円借款・無償資金協力、開発援助、ODA、インフラ投資、経済支援などの名目で行われる援助や投資です。
無論、開発途上国に対して先進国である日本が資金援助することを否定してはいませんが、在任中に世界中にばらまいた(言葉が過ぎました)総額は、約55兆円とも言われています。年間予算の半分を海外訪問の度に寄付してきたということになります。
寄付を受けた国々は、「何と太っ腹な首相だろう」と安倍氏に感謝するでしょう。
しかし、それは安倍氏のポケットマネーではなく、国民の血税です。
家族が稼いだお金を家族に使わずあちこちに寄付し、家族は残ったお金で細々と暮らしている。そして自分だけいい顔をしている。と言うことでは・・・。
外面(そとづら)は良い格好をし、内面(うちづら)は強面で家族に我慢を強いる。
それを知らない各国からは、安倍氏はいい人だったと弔電がくるのは当然です。
ただ、好き嫌いがハッキリしていて、中国や北朝鮮にはそっぽを向いたままでした。
日本国民は、元来「浪花節」的な心情の方が多く、死人に鞭を打つことを好みません。
当然のことながら、今回の事件を起こした犯人は、まさしく殺人罪で起訴され正式に裁判をうけることになるでしょう。これは、法治国家として当然のことです。
ただ、そのことと、今の日本国民の置かれている生活状況・社会状況を招いた『原因』を分けて考えることが必要です。それが民主主義を維持する冷静な大人の判断ではないでしょうか。