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処理水の行方

  • 2021年04月08日

 菅氏が全漁連:岸会長と会談し、福島原発汚染水の海洋放流への理解を求めましたが、岸会長は「海洋法流に反対の立場はいささかも変わらない。」と拒否の姿勢を改めて明らかにし、それを受けて菅氏は「1日も早く政府として処分方法を決めたい」と記者団に語りました。

 近日中に政府としての方針を決めるということから、結論は既に決まっているものと思います。当然、海洋放流を判断することになるでしょう。

 結果が全漁連の望む方向とは違う形で決着を迎えることは想像に難くありません。

 石原伸晃元環境相が、同じく原発事故の除染で排出された土砂を保管する中間処理施設建設に際して、反対する福島県大熊町と双葉町に対して「最後は金目でしょう。」という発言をした事を思い出します。

 政府の閣僚達は、一貫して原発に関することを金で解決するという発想しか持ち合わせていません。それは、寿都町、神恵内村の高レベル放射性廃棄物最終処分場の各種調査にも通じています。

 したがって今回の汚染水の処理に関わり、各漁協が最大の懸念を示す風評被害に対しても、安易に「金」を持ち出すことで解決を図ろうとしていることは容易に想像できます。 地元の漁師さん達はこの10年間、風評の払拭という重い課題に悩まされてきました。 2012年からの自主検査で魚介類の安全性がやっと確認でき、この3月で試験操業を終えたばかりですが、それでも、昨年の水揚げ量は震災前の17%にとどまっています。

 与党の中には「風評など見たことも無い。」と言う方もいるかも知れません。そういう方に限って「金で解決できないものは無い」と思っているのでしょう。

 近日中に判断される政府の決断が、これまで苦労を重ねて来られた漁業関係者に寄り添うものになって欲しいと思います。

 (そういえば、菅氏は「沖縄の民意に寄り添う」と言いながら辺野古の中止をしようとしていない方でした。)


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