函館で働きたい?(ブログ3173)
- 2023年03月21日
函館市が、高校生・大学生を対象に「卒業後、地元での就職を希望するか。」を尋ねたアンケート調査を行い、併せて、今後3年間で若手正規職員を採用予定の企業にも、その採用課題について尋ねたものです。
その結果、卒業後も函館で働きたいと希望した高校生は21.7%、大学生は24.0%と言う結果になりました。
高校生の理由は、「家族の近くで暮らしたい」、「住みやすい街だと思う」。
大学生の理由は、「函館での生活に慣れている」、「親や親戚の近くで暮らしたい」。
逆に、函館で働きたいとは思わないのは、高校生で46.4%、大学生で46.9%と言う結果になりました。
高校生の理由は「自分のやりたい仕事や、働きたい職場が無い」、「済んでみたい都市や地域が他にある」。
大学生の理由は「業種や職種が限られ、就職先の選択肢が少ない」、「済んでみたい地域が別にある。都会で暮らしたい」ということです。
卒業生が函館から流出する社会減の理由は、多分そんな所にあるだろうと想像をしていましたが、現実の数字を突きつけられると、その多さに言葉を失います。
一方、企業側の課題は、「求人を出しても応募やエントリーが無い」、「望む人材が応募してくれない」となっています。
報道では、「求職側と求人側のミスマッチがうかがえる。」とまとめていましたが、果たしてミスマッチだけが原因なのでしょうか。
先ずは、卒業後に「都会に憧れる」とか「一人で暮らしてみたい」などは、時代が変わろうと、私たちの若い時代に抱いた希望とそう変わりはないと思いますから、永遠とは言わないまでも普遍的な若者の感覚なのかも知れません。
しかし、新卒者が、どのような職種や職場を希望しているのかは、じっくりと分析しなければなりません。
それは、今後、函館市がどのような産業を目指し、そのためには関連する企業の育成や誘致をどのように進め、若者の流出を食い止めるか、一方では若者の流入を呼び込むという、街の元気に繋がる問題だからです。
函館市が行ったアンケート調査は、そういう意味で大事な調査だと思いますが、単純に「函館市で働きたいと『思う?』、『思わない?』」というだけの調査だったとすれば、あまり意味を成しませんので、改めて、深い分析が出来る調査をする事を強く望みます。