分別を欠く知事
- 2022年09月16日
北海道議会は今日10時から各会派の代表質問に入る予定でしたが、冒頭から紛糾してしまいました。
原因は、一人目の自民党の代表質問の際に、質問には無いにも関わらず知事が答弁の冒頭に「安倍元総理に対して弔意を示す発言をする。」と言い始めたからです。
質問に無いことに対して知事が発言することは議会として認められておりません。
これを認めるには議会運営委員会の了承が必要であり、仮にそのことを認めれば前例となって、登壇すれば事前に了解がない事についても発言できることになります。
知事は、「弔意を示すことがなんで問題なのか」と譲らず、時間だけが無為に過ぎてしまい、午前中に本会議が開けませんでした。
鈴木直道として私人の立場であれば何処で弔意を示しても「内心の自由」なので問題ないでしょう。しかし、知事・鈴木直道という公人の立場で、さらに道議会の本会議という公式の場を利用し、議会ルールを逸脱してまでも、さらに国民の反対の声が半数を超えている中に有るにも関わらず、あえて元総理に対して弔意を示す必要があるのでしょうか。
そのくらいの分別も付かず総合的な判断も欠く知事は、政治家としてまだまだ未熟であることを露呈してしまいました。
そして、行政経験が長く、折に触れて知事に助言をし、時として議会との調整にも動かなければならない参謀役の3人の副知事達も、「殿のご乱心」をいさめることが出来ないことを憂います。
知事は、560万人道民の代表です。しかし、残念ながらその重みより個人的な思いを選んでしまったことを私たちは忘れないようにしなければなりません。