制度変更で自治体はパンク(ブログ3484)
- 2024年02月16日
今回の通常国会に提案される新年度予算ですが、「少子化対策」が目玉とされており、岸田氏は「少子化対策」の財源には、国民負担の批判を避けたいのか、「負担は求めない」とい言うことを何度も答弁しています。しかし、皆さんご存じの通り、これは「真っ赤な嘘」。嘘も極まれりと呆れてしまいます。
岸田氏自身が「少子化対策」の財源として、国民健康保険や介護保険の負担増を国民に求めると明言しているにもかかわらず、「国民負担」を求めないとは、どの口が言うのか。
岸田氏が求める「歳出改革」の中身は、75歳以上の医療費3割負担、介護保険の2割負担の対象拡大、訪問ヘルパーなどのサービスは自治体に移行し、ボランティアなどに委任するなど、子育てのために高齢者を犠牲にするというものです。
さらに「こども・子育て支援金」は公的医療保険の仕組みを使って徴収します。
厚労省の試算では年収300万円の単身者の場合、介護保険料は協会けんぽで年間2万8,400円、国保では4万4,000円で協会けんぽの約1.5倍になりますから、収入が少ない人が多い人よりも負担が多くなる制度で、これでは制度自体が制度として成り立たないものとなっています。
また、制度の複雑化と変更、新規の支給が地方自治体の業務をさらに追い込みます。
この制度を行うために自治体は人員を増員することが出来ません。それで無くとも過重な業務量を、残業で日々こなしている職員の疲労は限界を超えているにもかかわらず、政府の勝手な制度変更で新たな業務がのしかかります。
今、各自治体は、新年度の職員数を条例化して議会の承認を求める時期となっていますが、昨年行った公務員試験の合格者が辞退するという現象が広がっており、さらに、中途退職も増え続けていることから、既存の定数さえ確保するのが難しくなっています。
その原因は何か。行政需要が際限なく拡大し、職員が抱える仕事量が通常業務の域を超えていること、そして、そこには公務員としての責任が求められこと、市民からのカスタマーハラスメントも横行していること。それらの事が身体的・精神的に職員を苛んで(さいなむ=苦しめ悩ます)います。
これは、コロナ禍でも同じような事が起きましたが、政府は自治体の事など全く意に介せず、次々に新しい業務を地方に押しつけます。
少子化対策で国民に負担が無いと言うならば、制度を変えず、支給は単純に実施が出来るよう「推し」を中心に行うべきです。
今、公務員の保守化が言われていますが、これまで様々な制度の自治体丸投げに、公務員も反旗を翻すかも知れません。