前途多難な北海道新幹線
- 2015年11月27日
新幹線の料金に関する公聴会が開かれ、意見を述べた全員がJR北海道が示した新幹線料金に対し、高い設定であることに疑問を呈しました。
これに対し、JR北海道の島田社長は、他の新幹線と違い青函トンネルの維持費や雪対策などを理由にしましたが、他の新幹線と比較して同様の距離で換算すると1.5倍以上になる料金設定ではどれほどの利用が見込めるのか。
一方、同じく島田社長は、北海道新幹線の1日の利用客は約5,000人以上とコメントしましたが、これまで、道が新幹線の利用客とその効果の基礎としてきた数字は、9,500人でした。
当事者のJR北海道の予測はその約半分の5,000人というのでは、北海道観光や経済への波及効果に大きな誤差が生じ、今後の取り組みにも大いなる影響を与えるものとなります。
北海道は、新幹線の利用数について、これまでJR北海道といったい何を協議をしてきたのでしょうか。
料金が高く、利用者も少ないと見込む北海道新幹線は果たして必要なのでしょうか。
新函館駅開業まで約4ヶ月に迫り、札幌までの延伸工事にも着手しましたが、八雲町の野田生トンネル、立岩トンネルから湧水が大量に流入し、河川への放流が沿岸漁業に大きな影響があるのではないかと噴火湾沿いの漁業者が監視を求めているなど、今後もその75%がトンネルの札幌延伸は、さらに困難な状況に晒されることも想定されます。
その時にJR北海道がさらなる合理化を打ち出すことも考えられることから、ローカル線を犠牲にしてまでも新幹線が必要なのかという声も出かねません。
料金問題、利用者数の判断、トンネル工事の影響、漁業者との協議など、高橋知事はどのように動かれるのか注視したいと思います。