副作用はワクチンのせいじゃない?
- 2014年01月30日
子宮頸がんワクチン接種後に起こる様々な副作用症状の原因は、心理的要因と社会的要因であると厚労省の専門部会がその見解を出したとの報道がありました。
子宮頸がんワクチンについては、私のブログでも何度か取り上げましたが、国が接種を積極的に奨励し、各自治体がワクチン接種を実施してきましたから、副作用の症例が全国で出始めた時は、一時、接種の呼びかけを中止した経緯があります。
世界的にも、その効果とリスクには様々な意見がありますし、子宮頸がんの予防にはワクチンのみではなく、定期的な検診も必要と言われています。
厚労省にとってみれば、安全でリスクは無いと奨励してきただけに、副作用の原因がワクチンとは認めたく無かったのではと憶測したくなります。
専門部会は、「接種時の痛みをきっかけに緊張や不安などの心理的要因や生活環境などの社会的要因が身体の症状として現れた」との認識で一致したとのことですが、こんな認識で患者やその家族が納得するはずはないのは当たり前ではないでしょうか。
130件の報告があった全身の慢性的な痛みや歩行などの運動障がいが、体質や社会的な要因が絡み合って身体症状としてあらわれる「心身の反応」であると結論づけていますが、この130件の症例にある患者の皆さんは、当然のことながら年齢、居住地、生活環境はそれぞれ異なっています。
それを一括りにして、心因や社会的要因として片付け、厚労省には何の瑕疵もないとすること自体、今の安倍政権の女性軽視を見る思いですし、専門部会のメンバーの矜持も疑いたくなります。
中学校までの女の子がいる保護者の皆さんは、子宮頸がんワクチンの接種について、厚労省の情報だけを信じることなく、その効果とリスクに関わる様々な情報を的確に把握し、接種の判断をして欲しいものと思います。