労働規制緩和
- 2015年02月08日
安倍総理は岩盤規制をドリルで穴をあけるとばかり、様々な規制緩和に大なたをふるっていますが、その一つに労働の規制緩和があります。
「新たな労働時間制度」とか「時間に縛られない労働形態」とか、何となくすんなり耳に入ってくる言葉を使って、労働基準法の改正を目論んでいますが、そもそも労働基準法は労働における最低基準を定めている法律であって、これ以下にすることが望ましいものであります。
「成果主義」という言葉で、成果さえ出せば1日何時間の労働であっても労働者本人の自主性に任せるというものですが、すでに成果による仕事の評価は行われています。
長時間の労働を是認することは人員削減で一人当たりの仕事量が増えても、与えられた成果を出すまでは自己責任で仕事をしなければならないことに繋がります。
そもそも1日8時間を超えて働かせたら、経営者側にペナルティーとして残業代を支払わせることになったのは、労働規制の無かった19世紀の工場労働が過酷だったことから、労働者が勝ち取った基本的な権利だったはずです。
昨年、「過労死防止対策推進法」が施行されましたが、これには残業時間の基準が示されていません。
過去の例から見ても、月80~100時間が過労死の基準とみなされていますが、週40時間労働と考えても月100時間の残業はとは、例えば4週間(ひと月)土日の休日一切無し+平日36時間の残業、あるいは、毎日連続5時間の残業を一月続ける事になり異常な状態です。
企業の人員削減を助長し、企業を残業代という負担から開放することで、成長戦略を進める安倍政権は、「残業代ゼロ」と「過労死防止」という矛盾にどう対処していくのでしょうか。