北方領土への光ファイバー
- 2018年06月11日
ロシアから日本政府に、サハリンと北方領土を結ぶ光ファイバー回線の海底敷設作業を10日から開始するという通告がありました。
産経新聞によると工事は中国の通信機器大手「華為技術(ファーウェイ)」が行うことになっており、サハリンのユジノサハリンスクから択捉島の紗那へ、そこから国後島の古釜布、色丹島の穴澗を結ぶ全長765kmとなっています。
北方領土では、携帯電話はモバイル回線などでインターネットが使えますが、光ファイバー回線の整備でより一層通信環境が改善されることになります。
この通告に対し日本は、「北方領土において大規模なインフラ開発を行うことは日本の立場と相いれない」とロシアに抗議したようです。
先般、私も択捉島に行きましたが、外務省の担当者から事前に「北方領土に向かう中間ライン(国境とは言わない)を超えたら、携帯及びメール等は使用しないように。使用した場合、ロシアの通信基地を中継して日本に電波が飛ぶため、ロシアの主権を認めることになるので、現に慎むように」、「特に同行するマスコミ関係者は、訪問期間中は絶対に守っていただく」という注意が有りました。
しかし、日本がいくらロシアに抗議をしたところで、現実に北方領土を実効支配し約1万6,000人からのロシア人が生活をしている実態があることから、ロシアは意に介さないでしょう。
いくら23回も首脳会談を重ねても、領土問題は1mmも変化が無いままです。
一方で、ロシアは少しずつしたたかに戦略を持って、事実を重ねています。