北海道のエネルギービジョン
- 2019年03月12日
昨日、「原発事故から8年 フクシマを忘れない! さよなら原発 北海道集会IN函館」という集会に参加し、「北海道グリーンファンド:鈴木 亨理事長」の「北海道ブラックアウトから見えたもの」という講演を聴きました。
ブラックアウトがナゼ起きたのかは、既に皆さんご存じのとおりですので、今後の北海道のエネルギービジョンについての内容を掲載します。
鈴木氏によると、北海道の再生可能エネルギーのポテンシャル(平成23年環境省報告書に基づくグリーンファンド試算)は、9電力地域の中でも最高のものであり、太陽光:752万KWh、中小水力:133万KWh、地熱:518万KWh、陸上風力:1億3966KWh、洋上風力:4億315万KWhで、合計が5億5684万KWhと試算され、これは、現在の国内需要約2億KWhの約2.8倍にも匹敵するというものです。
一方、2018年10月米国格付会社ムーディーズでは、北電が「安定的」から「ネガティブ(弱含み)」に変更、現在のA3よりも低い格付に下がる可能性が高くなっていること、料金値上げと顧客離れの悪循環に陥っていること、有利子負債額が3・11前の9000億円台から1兆4000億円台にまで膨張していること、さらに自己資本比率が18年9月末で約11%にまで下がっており危険水域に入っているなど、北電の負の姿も浮き彫りとなりました。
もう原発を再稼働するという思考停止から脱却しない限り、北海道のエネルギーは破綻することは明らかです。
新たなエネルギービジョンは、脱炭素化、分散化、自由化、デジタル化を見据えた新たな電力ビジネスへと向かうしか有りません。
鈴木氏は、「北海道『民』電力」の推進で市民ファンドを組成し90億円で北電の筆頭株主になり、179自治体と道民が出資して33.4%の株式を取得、拒否権を得て新たな再生可能エネルギーを主体とした道民電力へと転換、売電、株式、税収で会社、道民、自治体が収益を得ることで北海道独自のエネルギービジョンが見えてくると説きました。
私はただ頷くばかりです。
新しい知事との下、夢のある北海道が開ける気がしました。