北海道の鉄路
- 2016年11月29日
JR北海道グループは
・お客様の安全を最優先に取り組みます。
・コンプライアンスの徹底をはじめ、企業に求められる社会的責任を果たします。
・安心してご利用いただけるサービスを提供し、お客様の満足の向上を目指します。
・北海道に根ざす企業グループとして、機の発展に貢献します。
・個人の想像力とチームワークを高める企業風土を醸成し、社員の充実感の向上とグループとしての成長を目指します。
JR北海道が、この経営概念を基に北海道の鉄路の維持・発展に尽くしてきたかと言うと少し疑問が残りますが、広大な面積・点在する主要都市、薄い人口密度、積雪寒冷な気候、老朽化した鉄橋やトンネルなどを考えると、他の鉄道事業者とは違い大きなハンディを持っての運営であることも現実ですから、国は、この現実を真正面から受け止めなければなりません。
民営化の折に、国は本州以外の3島会社のJRに対し運営安定基金を用意しました。
JR北海道が6822億円、JR四国が2082億円、JR九州が3877億円となっていますが、近年の各種基金は利率が低率になっていることから果実を生み出しません。
一方、この基金は基本的に取り崩しを禁止していますから、利用する術が有りません。
そして今、JR北海道は経営破綻の危機を迎えています。
北海道の鉄路を残す意義については、9月21日のブログに書かせていただきましたから、重ねては述べません。
今、まさしく北海道の鉄路維持が風前の灯火となっています。
この問題については、党利党略では無く、超党派で取り組まなければならない課題だと私は思います。
今日、自民党の武部新衆議院議員が「新会社を設立し、上下分離方式にした場合の受け皿としてはどうか」という発言をしたことが新聞に掲載されました。
私は、9月21日のブログで、国、JR北海道、道、関係自治体、利用者(住民)の5者がそれぞれ負担を共有し合うことが必要だと述べましたが、今日の新聞で道経連も道内交通についての提言をまとめましたから、経済界も自ら仲間に入り、さらにJR貨物も含めた7者が負担を共有するという北海道方式を真剣に検討すべきです。
そして、鉄路を維持するための具体的な手法として私が提案するのは、国(鉄道運輸施設整備支援機構:JR北海道に100%出資している)、JR北海道、北海道、関係自治体、経済界が出資、道民にもファンドとしての出資を募る他、JR貨物からも線路使用料についての協力を仰ぐなどして新会社を設立、線路施設等のいわゆる下部の維持管理をこの新会社に委託する。
新会社は、JR北海道の子会社か関連会社と位置づけ、施設整備のノウハウを持つ、技術者等をJR北海道から派遣して対応する。
列車運行と車両整備等は今まで同様JR北海道が担い、利用者は鉄路維持に見合う運賃負担で支援する事なのだろうと思います。
まさしく8位一体としての体制を作り、さらに様々な支援体制を広げることも検討しなければなりません。
当面の基本的な考え方をこのようにして、将来的にはEU諸国などと同様に下部は国が維持管理し、上部を民営のJR各社が運行する事を目指すべきだと思います。