医療の緊急事態宣言
- 2020年12月15日
北海道医師会を含む医療関係11団体で構成する「緊急事態における北海道医師会・病院団体等との連絡協議会」が「医療の緊急事態宣言」を発表しました。
道医師会の長瀬会長は、以前から道内における医療体制はもはや崩壊状態に陥っていると警鐘を鳴らし、国のGOTOキャンペーンにも批判的な発言をしてきました。
しかし、鈴木知事はじめ菅氏もGOTOトラベルを中心とするGOTOキャンペーンの一時休止や縮小など意に介さず、その結果、11月から今月にかけて北海道は未曾有の事態に入り込みました。
ここに来て、やっと菅氏がGOTOトラベルを一時停止すると発表しましたが、それも28日からで、まだ2週間も先のことです。
長瀬会長は「入院したい患者がいてもすぐには入院できない。危機的な状況がすぐ目の前に迫っている。医療崩壊を防ぐのは道民一人一人の行動にかかっている。経済も大事だが、生命と健康が一番大切だ。」と話しています。
また、宣言では「例年でも、年末年始は多くの医療機関が休診となるため、急病やけがなどで受診を希望されている患者の皆さんの診療に制限がありましたが、この状況では発熱だけではなく他の症状の方々の診療がより一層困難になりかねません。」、「新型コロナウィルス感染症に対応している医療機関や保健所職員の心身の疲労はすでに限界に達している上、入院用の空床が札幌・旭川などを中心に非常に少なくなってきており、一部では医療崩壊が始まり、自衛隊の災害派遣が行われている地域さえ出てきております。
これ以上負担が増えるようなことになれば、皆様の健康・生命を守れなくなります。」と訴えています。
今日の新聞でも、医師の長時間労働の問題が掲載されていました。
地域医療を担う医療機関で働く医師や研修医の年間時間外勤務(残業時間)は、年間1860時間となっています。これは月換算で155時間。
一般の労働者の年間時間外勤務の制限は360時間で月換算では30時間ですので、この約5倍、一般の勤務医の年間時間外勤務の制限が過労死ラインの960時間で、月換算では80時間となっており、この約2倍の長時間勤務です。
これでは、医師になろうとする若い方が少なくなるのも当たり前で、非常にブラックな職業です。
私たちの出来ることは、まさしく普段の健康に留意し、医療機関のお世話にならないことに尽きるのではないかと思います。
そして今は、コロナにならないために自らを律して生活すること、それが、私たち自身が備える万が一の時のための最低限の心得だと思います。