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南スーダンと大本営

  • 2016年08月17日

 国連平和維活動(PKO)の国連南スーダン派遣軍(UNMISS)の任期が8月12日で切れることから、国連安保理は今年12月15日まで派遣団の任期を延長する決議を採択しました。

 決議はさらに、4,000人規模のアフリカ部隊を「防護部隊」として増強、この部隊に任務遂行のための武力行使など、あらゆる必要な手段を行使することができる権限も与えました。

 南スーダンのジュバは、先般は、日本のJICA職員が乗車していた車両が被弾し、幸い防弾仕様であったことから事なきを得ましたが、非常に緊迫した状況となっています。

 自衛隊は国連トンピン地区から一歩も外に出ることが出来ず、JICA職員も、大使館員も必要最小限の人数以外は国外待避し、いざという場合の空自輸送機もスーダンから撤収しています。

 このような状況にあっても、前・中谷防衛相は「反政府側が紛争当事者に該当するとも考えていない」とか、菅官房長官に至っては「注視しているが、平穏な状況が続いている」との認識を示し、従ってPKO派遣5原則(①紛争当事者間の停戦合意②紛争当事者による日本の参加同意③中立的立場の厳守④以上のいずれかが満たされなくなった場合、即時撤退⑤武器使用は要員の生命保護など必要最小限)が崩れたとは言えないと屁理屈を述べています。

 「アホ」か。

 反政府側は紛争の当事者で有ることは国際的にも当たり前のことであり、JICA職員や大使館員を国外非難させておきながら、そして、残ってる職員の車が被弾しても平穏な状況だとは、開いた口が塞がらない欺瞞だらけの言葉ではないでしょうか。

 まさに戦時中の大本営発表の王道を貫いています。

 この南スーダンのPKOを見ても判るように、一度手を染めたら二度と引き返せないのが戦争だということです。

 幾ら自衛隊がインフラ整備など民生部門の支援だと言っても、このとおりです。

 ましてや次期派遣団は今月から「駆け付け警護」と「共同防護」の訓練を開始します。

 アフリカの「防護部隊」は武力行使を含めたあらゆる必要な権限を与えられました。

 自衛隊の「共同防護」も「防護」という意味では一緒に行動することも想定されます。  いよいよ抜き差しならぬ南スーダンの状況と、情報を明らかにしない政府。

 私たちは、安保法制で決められた自衛隊の新たな任務である「駆け付け警護」と「共同防護」が今後どのように展開されるのか、正しい情報を見極めて行かなければなりません。


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