南スーダン制裁に難色
- 2016年12月19日
南スーダン情勢が悪化の様相を呈し始めています。
政府軍が少数民族を迫害している事は周知の事実となっていますが、それに加えて乾期を迎え、食糧難からジェノサイドが始まるとの観測が出始めました。
米国がこのことを敏感に感じとり、国連安全保障理事会に南スーダンへの武器禁輸などの対南スーダン制裁決議案を提出する動きを見せています。
その内容は①今後1年にわたり政府軍や反政府軍への武器・関連物資の輸出禁止、財政支援の禁止②南スーダン向けの貨物の検査をするよう周辺各国などに要求③渡航禁止や資産凍結の対象を政府関係者や反政府軍トップのマシャール前副大統領など3名を追加するというものです。
この制裁に関する安全保障会議の採択では、常任理事国である中国やロシアの賛同を得なければなりませんが、全15理事国のうち、これまで7カ国が賛同しています。
しかし、残念なのは日本が難色を示しているということで、米国は日本が賛同するように説得しているとのこと。
なぜ日本が難色を示しているかと言えば、「南スーダン政府と国連の関係が悪化すれば、情勢が流動化する恐れがあるから」というものです。
推測するに、「情勢が流動化すれば、何らかの戦闘行為が始まる可能性が高くなり、そうなれば、比較的安全だと豪語して派遣しているPKO部隊を引き上げなければならないことになる。それは、安倍政権にとってマイナスになる。」と言うことなんだろうと思います。
制裁を強めることで和平を追求するのではなく、安倍晋三のメンツで制裁に反対するという、極めて歪んだ対応は米国だけではなく各国からも、そして国内からも批判されることになると思います。