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危険な安陪ブレーン

  • 2013年05月06日

先般の道新に「改憲議論 国家像を問う」という特集記事が掲載されていました。
改憲の立場から、高崎経済大学教授八木秀次氏が「戦力不保持は空文化」と題していくつかの持論を展開していました。
その中で、どう考えてもおかしいと思えることに反論してみます。
八木氏はまず、「自民党の憲法草案が国防軍の配備を明記していることは、現状を大きく変えようというものではなく、むしろ現状に即した形に変えるということで、憲法に明記することで、軍の行動を縛ることになる。」と言われました。
しかし、そうでしょうか。
国防軍とだけ明記するだけではないことは国民の誰でもが知っており、国防軍創出とは内閣に国防省を設置し、名実共に軍隊として内外に明らかにすることを意味します。
それは、外交的に緊張(課題)を抱えているアジア諸国等にとって「ついに日本が軍隊を保有し軍備を増強、米国と同調し、集団的自衛権の発動だけではなく一体化して行動を起こす。」ことを意味します。
一方、PKOは今まで行ってきた米軍後方支援の兵站行為から、実質的な連合軍として英仏軍同様、他国での戦闘行為を行い、相手国に血に流させ、自国の兵士も血を流すことになります。
このことについて八木氏は、「日本が今後も世界の先進国としての地位を確固たるものとして維持するためには、お金だけの協力だけではなく、幾ばくかの犠牲も仕方がない。
それが世界が求める日本の役割だ。」と平然と述べています。
血を流し、犠牲になるのはご自身や家族などではなく国防軍であり、痛くもかゆくもないと感じられているとしたら、この方に学生を教育する資格があるのでしょうか。
また、八木氏は「先進国同士が戦争を行うことは、今の世界情勢ではあり得ない。軍隊を持つことは、戦争とイコールではなく、戦争をしないための抑止力なのです。」とも言っています。
戦争をしないための抑止力というのは、敵国と見なす国よりも大きな軍事力を持って初めて言えることで、それは、軍事費だけではなく兵器においても同様であり、自民党のタカ派の中には、米国の核の傘に依拠していては「虎の威を借る狐」であると言う方もおり、核保有論にまで及ぶ可能性も出てきます。
さらに八木氏は、「国防軍を持ちながら、政府が強い外交姿勢を見せることで、国民は安心して生活が出来、それが普通の主権国家である。」と述べています。
日本が主権国家であるかどうかは甚だ疑問ですが、「お前は私の力を解っているだろうな。」と武器を後ろに隠して行った外交が、功を奏したことが今までにあったでしょうか。
それこそ、相手国の主権を認めない三流国の外交と言わざるを得ません。
基本的人権に対し八木氏は、「個人の権利を尊重すべきことは当然ですが、無制限な権利は一つもなく、憲法で権利を制限することは必要である。」と述べ、現憲法97条「侵すことの出来ない永久の権利」を否定し、公益及び公共の秩序に反することは認めないとして、公益=国の利益、公共の秩序=国が認める秩序、に触れる権利は制限されると主張し、時々の政権の考え方によって、国民の権利をいかようにでも取り扱うことができるということを平然と述べています。
八木氏は、高崎経済大学地域政策学部教授で専門は憲法学、「従軍慰安婦問題」や「南京大虐殺」は「自虐史」であるとして、義務教育の教科書からそれらの記述を削除させる活動をしている「新しい教科書をつくる会」の代表をしていたことのある方です。
そして、この方が、安倍首相のブレーンとして「教育再生実行会議」の委員に就任しています。
危険なお考えの持ち主ばかりをご自身の周りに配置し、戦前復帰を目指している安倍首相に率いられる日本を、世界の中でどのように評価しているのでしょうか。


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