厚労省は財務省と喧嘩すべき(ブログ3069)
- 2022年12月07日
厚労省が5年に一度見直す生活保護支給額の試算を行いました。
低所得世帯の消費支出と、生活保護支給額の比較を行い、75歳以上の単身および夫婦二人暮らしの生活保護世帯の消費が、同じ世代の低所得世帯に比較して支出が上回っているとして、この格差を是正するために、高齢者の生活保護世帯の支給額を引き下げるというものです。
ちょっと待っていただきたい。そもそも、現在の高齢者の生活保護支給額も国民年金支給率は非常に低く、そのために高齢者の方々の多くが消費を抑えるという生活防衛を行っています。
今回の厚労省の見直しは、低きに合わせるということが基本となっているようですが、これだけ物価が高騰している現在、高齢者はこれまで以上に貧困生活を強いられています。
75歳以上の高齢者は、戦後に生まれ、高度成長期を支えてきた勤勉で仕事一筋の現役時代を過ごされてきた方々ではないですか。
その方々が、障がいや病気・けが等の理由で仕事が出来なくなり生活保護に頼ることになる、そして、病院へかかることも多くなることは想像に難くありません。
政府は、社会保障費の支出を極力抑えたいという思いが強く、そのために数字だけを見てその裏側に隠された現実を見ようとしていないように感じます。
社会保障費、とりわけ年金や生活保護費は最低限の生活を維持していくために憲法で保障されたセーフティーネットですが、それは、「最低限でも良いだろう」ではなく、より健康で文化的な生活、すなわち日々の生活を切り詰めて病院へかかることも出来ないことや、自らの楽しみまで犠牲にする事が無いように、支給額を増額すべきものでなければならないものと思います。
厚労省は、そのために財務省と交渉をするための役所でなければなりません。
今の厚労省は本末転倒のような気がします。