背景

ブログ月別アーカイブ

ブログ

>>前のページへ戻る

厚労省概算要求

  • 2021年09月12日

 来年度予算の概算要求が各省庁から提出され始めています。

 これから、財務省を相手に各省庁が丁々発止の予算分捕り合戦を展開し、年末に新年度予算の概要が明らかになります。
 
厚労省の予算概算要求額は過去最大の33兆9,450億円で、本年度当初予算額より8,070億円の増額となりました。

 重点要求では「新型コロナの経験を踏まえた柔軟で強靱な保健・医療・介護の構築」、「ポストコロナに向けた『成長と雇用の好循環』の実現」、「子どもを産み育てやすい社会の実現」、「安心して暮らせる社会の構築」の4つの柱をもとに、それぞれ具体的項目を列挙しています。

 その大きな柱の一つである「新型コロナ・・・」の重点として「保健所・検疫所等の機能強化」という項目があります。

 今回のコロナ禍において身にしみて必要性を感じたのは、各自治体で感染症対策のコーディネートを所掌する保健所設置数と人員の少なさではないでしょうか。

 1994年の法改正によって、全国的に保健所が統廃合が進み、札幌市では各区に設置されていた保健所が一つに統合され、1998年には北海道も45カ所有った保健所のうち19カ所が廃止されました。

 2009年の新型インフルエンザのよるパンデミックでは、休日返上24時間体制で対応をし、パンデミックが収束した翌年10月には、健康観察や積極的疫学調査などで業務量が膨大に増えた事が事後報告されていました。

 当然、この経験を踏まえれば翌年から保健所職員の増員が図られても当然ですが、行政改革の名のもとに予算が削られ続けている中で、保健所の職員増は見送られてきました。

 そして、今回のコロナウィルス感染症のパンデミックです。

 保健所職員の経過観察もままならず、全国的には自宅療養において保健所からの定時連絡も十分でない事が報じられ、手遅れになった例も少なからず有りました。

 ちなみに、札幌市は各区に対策室を設けて、一般職員を1,000人程応援する態勢を講じました。

 今後、ウィズ・コロナ政策を進めようとするならば、当然、感染症対策は日常的な問題となります。

 政府は、先ほど記載しましたように保健所機能の強化を打ち出しましたが、具体的な内容には踏み込んでいません。

 政府及び地方行政は同じ轍を踏まないように具体的な人員増の予算措置をして欲しいと思います。


Copyright(C)高橋とおる後援会 All Rights Reserved.