原発は老朽化する(ブログ3058)
- 2022年11月26日
経産省は、原発停止中の期間を運転期間から除外する方向で検討することを決めたとの報道がありました。
岸田氏の原発依存発言があったことを受けて、原発運転期間の上限を撤廃し、40年の期間を更に20年延長し、その後は10年ごとに検査して延長を繰り返す事実上の上限撤廃は国民の理解が得られないのでは無いかということで、再稼働に向けた規制委員会の審査期間中を運転期間から除外する方向で関連法の改正を通常国会で行うと言うことです。
冗談ではありません。
運転を停止していた期間も、原子炉を含めた各機器や配管は中性子などに晒されており、劣化は進んで行きますし、2004年に関西電力美浜原発3号機で起きた配管の破断事故で、作業員5人が死亡しました。
美浜3号機は、1976年12月の運転開始ですから、28年後に配管が破断するほどの劣化が進んでいたことになります。
この他にも金属製の配管の中を流れる熱水や蒸気による浸食や腐食で厚さが薄くなり、ケーブルなどは熱などにより性能が低下、コンクリートの建造物も熱や放射線によって強度が低下します。
規制委員会の中山委員長は、「30年を超えた原発については10年を越えない期間に劣化状況を確認する特別点検を行う考えだ」とのことですが、美浜原発のように事故はいつ起こるか予想がつきません。
既存の原発は、40年を耐用期間として設計されているものです。
それを20年延長するだけでも、その安全性に疑問を持たざるを得ないのに、とにかく延長ありきで進めようとしている経産省の官僚達は、責任を取れるという覚悟があって言っているのでしょうか。狂気としか考えられません。