原発再稼働
- 2022年10月05日
岸田氏が所信表明演説で、「ロシアの暴挙が引き起こしたエネルギー危機を踏まえ、原子力発電の問題に正面から取り組みます。そのために、十数基の原発の再稼働、新たな安全メカニズムを組み込んだ次世代型革新炉の開発・建設などについて、年末に向け、専門家による議論の加速を指示致しました。」と、原発に対する考え方を示しました。
すでに、今冬や来夏以降の電力消費ピーク時に電力が不足するという政府の宣伝が功を奏し、国民の間では、「CO2削減もあるしやっぱり原発かあ」と考える方も出てきているでしょうが、これは、何としてでも原発への道を再開したい電力会社と政府の戦略であり、3・11フクシマ第1原発事故以来、国民の中に浸透した「脱原発」を逆戻りさせようという魂胆の表れとしか考えられません。
今年の夏も異常気象により暑い夏となった時に、政府は「節電」を国民に訴えましたが、それでも電力は不足すること無く停電も起こりませんでした。
「電力不足」と言っても、一部地域の瞬間的なピーク時間であり、このピーク時間に協力して節電すれば回避出来る程度の問題であり、原発が必要という理由にはなりません。
しかし、それでも原発を動かしたいのは、このままでは原発回帰が難しく、次第に静かに消えていく運命を辿るという現実と併せ、最大の理由は東電の悲願である柏崎刈羽原発を再稼働させるということです。
規制委や地元新潟県の同意がなくても、緊急避難時には政府が前面に出て再稼働させるということを可能にすれば、他の既存原発の再稼働に容易につながります。
そのためには「特別措置法」などの立法が必要となりますが、この法律は今の国会の数から言えば可決する可能性が「大」となり、規制委の了解と地元の同意という二重の足かせから原発を解き放つ強攻策となるでしょう。
電力不足、電力消費価格の値上げという言葉と、そこから導かれる「命に関わる」という脅しで国民を欺す。こんなことは、あの岸田氏が考えつくはずも無く、これも各省から派遣された秘書官や補佐官などの官邸官僚が、首相に入れ知恵をしたものでは無いかと思います。