原発方針転換(ブログ3028)
- 2022年10月23日
岸田氏が唐突に原発政策を転換しましたが、このことについて臨時国会ではあまり話題になりませんでした。
何より岸田氏自身が昨年就任以降、第6次エネルギー基本計画において、原発の新増設方針は盛り込まず、「可能な限り依存度を低減する」と言っててきたにも関わらず、ロシアのウクライナ侵攻による原油価格の高騰などを口実に、原発の再稼働、革新型原子炉の開発、新増設、運転期間の延長という、これまでの国のエネルギー政策を大転換する内容を公表しました。
今国内では、フクシマ原発事故時に54基あった原発は21基が廃炉となり、残る33基の内27基が規制委員会に審査を申請、17基が合格していますが、実質的に再稼働したのは10基となっています。
そのため、政府は規制委員会の更田委員長が辞任するタイミングに合わせたかのように、運転期間の延長と審査の効率化をも打ち出し、さらに経産省の審議会である「総合資源エネルギー調査会」には、年末までに岸田氏が打ち出した原発政策の転換への結論を出すように諮問(支持)しました。
しかし、原発は、その根本である安全性(テロを含む)、事故対策(住民避難も含む)、経済性の低下(1kw当たりの発電コスト)、放射性廃棄物の処分、核燃サイクルの破綻などの問題が何ら解決しておらず、拙速な結論は禍根を残す結果となります。
心配なのは、調査会のメンバー。
委員を決めるのは経産省で、朝日新聞によると、<委員の多くは原子力研究者や電力業界との関わりが深い有識者、経済人だ。原発に懐疑的な視点から意見を述べる人はごく1部しかいない。>となっています。
さらにこの調査会のオブザーバーには、見事なほど電気事業社の関係者が名を連ねており、またぞろ、「原子力ムラ」による「原子力安全神話」なるゾンビが目を覚まそうとしています。
国のエネルギーの根幹を決めるのに、たった3ヶ月という考えられない超短期期間で審議会のお墨付きを貰おうと焦っている岸田氏。
中身の無い総理大臣ほど、恐ろしいものは無いようです。