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原発立地で「協力金」

  • 2016年11月02日

 中部電力が浜岡原発の建設にあたり、立地自治体の旧浜岡町(現御前崎町)佐倉地域の住民組織に対し、「協力金」などの名目で総額約30億円の寄付を行ったことを記録した文書が見つかりました。

 ファイル数で約720点に及ぶもので、電力会社と立地自治会の交渉の内容が明らかになるのは初めてのことですが、各地の原発建設にもこのような裏取引があったのではないかとの疑惑を惹起させることにもなりました。

 自治体とではなく自治会、いわば町会単位とも受け止められる組織に対し、30億円もの「協力金」を積んで建設の了解を取り付けようとする電力会社。

 その「協力金」を受け取り、住民の了解に奔走する「浜岡原子力発電所佐倉地区対策協議会」の会長(元町議)。

 協力金以外にも、佐倉地域の住民センター、体育館などにも財政支援をしていたとのことです。

 それにしても、30億円です。

 「着工条件」「地域振興協力金」等の名目の他、「町費計上」「町長仲介」など、その使途(買収?)が明らかではない灰色の金が地域にばらまかれたことになります。

 まさしく、中部電力は金で住民の心を奪うと言うことを恥じることなく行っていました。 そして中部電力は、臆することなく「協力金は支払うことがある」と話しています。

 原発立地自治体には原発マネーと言われる、電源立地特別交付金、原発関連施設等周辺地域交付金、電力移出県等交付金、電源立地初期対策交付金、電源立地促進対策交付金、電源地域産業育成補助金の他、原発からの固定資産税も入ります。

 これは、立地自治体の歳入となり、直接住民に現金を還元した自治体もありました。

 しかし、この度の中部電力の「協力金」は議会が承認した自治体の歳入ではなく、まさしく現生(げんなま)を地域にばらまき、歓心を買った(人の機嫌を取る、人の気に入るように努める)ことになります。言葉は悪いですが、「買収」です。

 先ほども述べましたが、これは、何処の原発立地地域にも当てはまることを示唆します。 泊原発でこのようなことが無かったのか気になります。


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