原電の整理を(ブログ3748)
- 2024年11月18日
福井県の敦賀原発2号機が、規制委員会の審査の結果不合格となりました。
原子炉直下に活断層がある可能性を否定できず、原発の新基準に適合しないと判断したためです。
この原発を所有する原電では、追加調査を行って今年度中にも再審査を申請するとのコメントを出していますが、規制委員会の結論を覆す新証拠を提出できるかどうかは全くの未知数です。と言うよりも、これまで指摘されていたにも関わらず、規制委が納得出来る反証も行えなかったという事実が証明しているように、多分無駄なことだと思います。
規制委が不合格を出したのは初めてということですが、これまで泊原発の審査を見ても公平な立場で審査を行っていたかは疑問で、北電にかなりのアドバイスを行ったり、経産省や資源エネルギー庁に対し、北電のお手伝いをするように助言したことでも分かるように、規制委の基本は新知見という名の下で「再稼働をさせる」ことだと私は思っています。
しかし、その前に活断層が真下にあるにもかかわらず敦賀原発の建設を認可してきた経産省には、何の「お咎め」も無いのでしょうか。
1970年から運転してきた敦賀原発は2011年のフクシマ原発事故以来稼働していませんが、41年間も稼働しその後も13年間再稼働のための維持管理がなされてきたのです。
原電の所有している原発は4機、そのうち2機は廃炉する事になっており、残る東海第2原発と敦賀原発は、再稼働を申請していますが、東海第2原発はUPZ圏内(30km圏内)の住民の避難計画が非現実的で、未だに再稼働が出来ないまま、そして今回の敦賀原発の不合格です。これらの維持費は、年間約944億円、発電を休止した12年3月以降の総額は1兆4,000億円にものぼり、それらは、原電を設立した大手5電力が負担しています。しかし、負担といっても全ては電気料金に上乗せされ、私たちが支払っていることになります。
原電の会社経営自体が行き詰まっていることは明らかですが、債務保証をしている大手各社は簡単には潰せないと言う事情もあります。会社存続のために再稼働の見込みが無い原発を今後も維持し続けるという事に何の意味があるのでしょうか。維持するだけでも維持費は派生し、それを消費者が負担し続ける事になります。
その事を国民は理解するでしょうか。大手電力会社はその事を強く意識すべきではないかと思います。