反対の必要性
- 2019年07月24日
東京新聞22日のコラム「筆洗」に次のような文章がありましたので、掲載させていただきます。
<▼男が言った、「君はいつも僕に反対するね」。もう一人の男が答えた、「もし僕が反対
しなかったら二人とも間違ってしまうからね」。オリジナルは不明だが古くからあるジ
ョークなのだろう。
▼二人とも間違ってしまうからと答えた男に金子光晴の若き日の詩を重ねたくなる「何
しに生まれてきたのかと問わるれば、躊躇なく答えよう。反対しにと」、「僕は信じる。
反対こそ、人生で唯一つ立派なことだと。反対こそ、生きてることだ。反対こそ自分を
つかむことだ」。
反対には意味がある。反対しなければ生まれぬ議論がある。
▼安倍さんは大型国政選挙で六連勝という。昨日の参議院選挙である。勝利にわく自民、
公明の与党だろうが、肝に銘じるべきは与党以外を選択した「反対」の票である。
▼ジョークをもう一度読み返してみる。いつも反対する男は相手が憎くて反対している
わけではない。二人の行く末を心配し、別の選択をしている。
▼与党に入れなかった票。それは自分が反対しなかったら日本全体が間違った方向へ進
んでしまうのではないかと判断した世の中の声である。与党とは考え方は違っても日本
の将来を心配している声である。
▼その声にどう相対していくか。見たいのは反対にも耳を傾け、議論を深める懐深い与
党の姿である。その姿勢は日本の政治を穏やかにし、分厚くもするだろう。反対は敵で
はない。>
まさしく、正鵠を射た文章ではないでしょうか。
例えば、私たちが家族で〇×クイズに参加したとしましょう。
どちらが正しいか迷った場合、四人家族だったら、〇に二人、×に二人を選択します。
そうすれば、必ず二人は生き延びます。
そして、その次の問題の場合も答えに迷ったら〇に一人、×に一人と選択するでしょう。
例えが適切ではないかもしれませんが、全員が間違わないための知恵だと思います。
反対について皆さんはどの様に考えるでしょうか。