受け入れ難い喫煙所
- 2020年10月25日
ついに我慢できなくなったのか、道議会自民党会派内で道議会新庁舎に喫煙所を設置する考えが再浮上していることが報道されました。
道議会自民党会派は以前から喫煙所を設置すべきと主張していましたが、道議会を構成する他の会派が同意をしないことから、問題が頓挫していました。
そこに、コロナウィルス感染症の拡大への対処が大きな優先課題となったことから、コロナウィルスが収束するまでは、この問題を棚上げしてはどうかというアドバイスがあり、議長がこれを受け入れ、話し合いは5ヶ月間ほど中断したままとなっています。
喫煙所を設置するかどうかの結論が先送りになっている以上、喫煙所の無い議会庁舎内では喫煙は出来ない事になっていますが、それを我慢できない一部の喫煙者が地下駐車場に駐車してある自分の車の中で喫煙してしまいました。
他にも、庁舎内の自民党会派関連の部屋でも喫煙が行われていたようです。
このことをメディアにスクープされ、管轄官庁である札幌市保健所が道議会事務局に対して事情聴取を行い、併せて庁舎の立ち入り検査が行われました。
当然のごとく、喫煙者は庁舎外である敷地内でも喫煙できませんから、会議の合間を見て自家用車で庁舎から離れるか、近辺の喫煙可能な飲食店などを探して喫煙するしかありません。
そこで、堂々と喫煙するためには議会庁舎内に喫煙所を設置するべきという強硬論が台頭してきたのだと思います。
自民党会派内には、「議長が設置を決めれば、それが結論になる。」という強引な声もあるようですが、議長と副議長の職務の重要な柱は、議会全体の調整とスムースな議会運営にあります。従って、議長と副議長は出身会派から距離を置き、公平な立場で議会に臨まなければなりません。
議長が出身会派の主張を優先して他会派を軽んじることがあってはいけないのです。
喫煙所の設置については、議会を構成する全ての会派の総意とならない限り、議長が議会を代表して議会庁舎の設置者である知事に喫煙所の設置を申し入れることはあり得ず、自民党会派がどうしても設置したいのであれば、自民党会派の会長が知事に申し入れるしかありません。
しかし、知事は設置の条件として議会の総意を前提としています。
さらに、自民党会派内でも喫煙所の設置に反対の意向を示している方もそれなりの数になっています。
一番は、喫煙所設置に対して多くの道民が反対していることです。
医師会が集めた反対署名は約10万3000筆にものぼりました。
地方自治法第74条には、有権者総数の50分の1以上の署名があれば、普通公共団体の首長に対し条例の制定、改廃請求が出来ることになっていま す。
北海道の有権者数は約462万人で、その50分の1は、約9万2400人となっていますから、10万3,000筆という数は、知事に対して喫煙所を設置しない条例を議会に付議させることのできる大きな数であり、その事を喫煙する議員は重く受け止めるべきだと思います。
※なお、26日、27日は全国都道府県議会議長会の出席のため、ブログはお休みさせていただきます。