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口ばかりの生活補償

  • 2020年04月08日

 政府はコロナ感染症の経済対策を108兆円規模とし、安倍晋三氏は「過去に例を見ない額で、我が国のGDPの約2割を充当する。この規模は諸外国と比較しても相当思い切ったものだ。」と胸を張りました。

 「他国と比しても自慢できる。」と豪語した経済対策は、この後国会の審議を得て成立し、その後、各自治体が臨時議会を開会して国民に具体的な還元がなされるものとなりますが、市町村の窓口で手続きが始まるのは5月の連休明けになってしまいますし、手元に給付が届くのは5月の末か6月に入ってしまうかもしれません。

 さて、豪語する108兆円ですが、この中には昨年12月に決定した経済対策の未執行分約20兆円が再掲されているほか、負担先送り分の納税・社会保険料約26兆円も含まれており、新たに国が直接支出する関連予算、いわゆる真水は18.6兆円に過ぎません(赤旗新聞)。

 さらに、家計や中小企業への現金給付額は約6兆円で、これにしても全世帯約5,300万世帯のうち該当するであろう世帯数は約1,300万世帯で約8割の世帯は対象外となってしまいます。

 「1世帯30万円支給」は看板だけで、該当するであろう2割の世帯も条件が厳しくどのくらいの世帯が補償を受け取れるかは、まったく分かりません。

 その条件は、2月から6月までのいずれかの月で収入が減り、①減少した月の収入が非課税水準以下になる②減少した月の収入が半分以下となり、かつ非課税水準の2倍以下まで落ち込む。となっています。

 函館市の場合、非課税水準2級地にあたるので、道新に書かれている年収の目安(東京都や札幌市)より若干低く、年収では、単身世帯97万円(月収約8万円)、2人世帯では148万円(月収約12.3万円)、3人世帯では約190万円(約15.8万円)、4人世帯では約236万円(約19.6万円)が目安となります。

 ただ、世帯状況によって計算が異なる場合がありますので、あくまでも目安として受け止めください。

 さらに、これは世帯主の収入を基準とすることから、世帯主以外の方の収入がコロナの影響で減収になったり職を失ってしまい生活が困窮しても対象にはなりません。

 また、実家に住民票を置いている学生が、アルバイト収入の減額により生活費を得ることが出来なくても対象となりません。

 さらに、減収になったことを証明するために給与明細書や源泉徴収書などの書類を市町村窓口に持参して申請しなければなりません。

 「他国に比しても」と自慢していますが、米国では、年収約825万円以下の大人一人につき現金約13万円、子供一人に約5万55,000円を。

 英国では一人当たり月額約33万円を政府が負担します。世帯では無く一人です。

 安倍晋三氏は、この期に至っても国民への補償を制限し、「やっている感」だけはアピールするという、国民を守るという目線とはかけ離れた政策でお茶を濁そうとしています。


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