台湾の輸入解禁
- 2022年02月09日
台湾はフクシマ第1原発事故以来、これまで福島・茨城・栃木・群馬・千葉各県産の食品を輸入禁止処分としていましたが、11年ぶりに2月下旬から輸入を再開することになったようです。
その根底にあるのは、中国より早くTPP(環太平洋連携協定)に参加する事を目指している台湾が、米国が抜けた後のTPPを主導する日本に対し、輸入緩和という融和策を持ち出し、参加を有利に運びたいという思惑がある事は報道されたとおりだと思います。
日本の立場からも、実現すれば台湾への輸出に弾みが付き、関連5県は11年ぶりの解禁に安堵することでしょうから、歓迎する事になるでしょう。
しかし、台湾は自国民向けに「禁輸は原則的に廃止するがキノコなど特定の品目については引き続き禁止する。」また「輸入を再開する食品についても放射性物質検査や産地照明の確認、検疫などを徹底する。」と話し、輸入時の検査は国際基準よりも一層厳しくすることを約束しています。
今後は、台湾が具体的にどのような品目を輸入することになるのかが注目されますが、一番の目玉はやはり、海産物となるのではないかと思いますが、そうすると、懸念される事があります。
来年23年にはフクシマ第1原発の汚染水の海洋放流が始まるということです。
当然のように国内でも国際的にも風評被害が再燃するでしょう。
そうなれば国際世論も騒がしくなるはずですし、台湾政府も穏やかでは無いはずです。
その結果、2月からの解禁は、約1年間の短命なものになるかも・・・。
地元の漁協の方々は、また国策によって翻弄されることになるでしょう。