同一労働・同一賃金
- 2016年04月03日
「同一労働・同一賃金」に関する有識者会議が開かれました。
この「同一労働・同一賃金」は我々が昔から訴えていた課題でありました。
昔で言えば「本工」と「助工(臨時工)」が同じ仕事をしていても、賃金に差があり、さらに終身雇用と短期的雇用の違いを、働く側も経営側も認めていた時期が長く続いていましたし、今は、正社員と非正規社員と呼び、同じ仕事をしていても責任の度合いなどを理由にして賃金に差があることを容認してきました。
労働側から、このような差別的な賃金や労働条件・福利厚生のあり方に疑問を持ち、同じ仕事をしているならば、同じ賃金が支払われるべきと主張し、これまでも経営側に要求してきました。
しかし、柔軟な雇用体系で利益を追求する経営側は、これまで「同一労働・同一賃金」など歯牙にも掛けず、逆に与党自民党を利用して派遣法の改正を行い、製造業以外にも派遣職種の範囲を拡大、さらに1年及び3年と期限が規定されていた派遣期間を際限なく可能とし、解雇にあたっては相当の理由と見合う補償が必要だった労働基準法をも改正、金銭のみで解雇できるようにしてしまいました。
さらに、ホワイトカラーイクゼンプション制度の導入で、時間外勤務の壁を取り払らい、安倍晋三は「世界で一番企業が活動しやすい国」にすると息巻いています。
そんな安倍晋三が、「同一労働・同一賃金」を導入しようなど、端から信じることは出来ません。
巷では、これも参議院選挙向けのパフォーマンスだと言われており、私たちも必ず裏が有ると勘ぐっていかなければなりません。
昨年野党3党が共同提出した「同一労働・同一賃金推進法案」を維新の党とのみ協議して骨抜きにした事を私たちは忘れてはいけません。
安倍晋三は、今回の「同一労働・同一賃金」の導入で、正社員の待遇が良すぎるので非正規社員と同じような待遇にすべきと考えているからこそ、この問題を旨く利用し、労働者の賃金・労働条件・福利厚生を引き上げるのではなく、非正規職員並みに引き下げることを大きな目的として、有識者会議の設置となったものと思います。