周回遅れの原発安全対策
- 2014年07月27日
先日金曜日の「報道ステーション」で、アベシンの言っている「日本の原発は世界で一番の安全基準である」ということを検証するため、番組取材班がフィンランドの「オルキルオト」原発を訪ねた時の事が放送されていました。
オルキルオト原発は、フランス:アレバ社製の原発で、格納容器が二重構造となっており、外側の格納容器が破壊されても内側の格納容器が原子炉を守る、その逆に内側が原子炉によって破壊されても外側が守る構造となっている他、メルトダウンした場合は170㎡のコアキャッチャーが受け止め、それを広げて冷却し、12時間は人的処置をしないでも対処できる構造となっており、また、フィルターベントも既にヨーロッパでは標準装備されており、当然オルキルオト原発にも設置されていますが、日本はどうでしょう。格納容器の二重構造も、コアキャッチャーも講じられておらず、フィルターベントは何処の原発も2~3年先の設置となっています。
アレバ社は安全対策コストを1基に1兆円をかけ、担当者は「安全対策を十分に行わなければ原発の存在は無い」とまで言っており、日本の専門家は、ヨーロッパの安全対策と比較すると日本は周回遅れ、10年は遅れていると指摘、規制委員会の田中委員長もまた「世界で一番厳しい、世界最高水準の安全、とは政治的言葉である」と語り、アベシンの言う安全の言葉を、科学的根拠のないものと論外に否定しています。
オルキルオト原発は18億年動いていない岩盤の上に立地され、その隣接地には高レベル放射性廃棄物を10万年間保存可能な最終処分施設「オンカロ」があります。
そして、このオンカロを訪ねた小泉元首相が脱原発を唱え、活動をしています。
今日のNHK「日曜討論」でも川内原発再稼働について放送されていましたが、いつまで経ってもコスト論で再稼働を求める御用学者が居ることに、日本の科学の貧困を見る思いです。