国会を延長すべき
- 2020年06月08日
第2次補正に10兆円の予備費を積んだまま、今年の通常国会が今月の17日で会期を延長せずに閉会となります。
国会審議の必要がない予備費を、だからといって使い道も明らかにせず10兆円を政府に白紙委任することを国民は望んでいないと思います。
立憲民主党の安住国対委員長と自民党の森山国対委員長が話し合って、そのうちの5兆円分は、雇用維持や生活支援に1兆円程度、事業継続支援に2兆円程度、医療提供体制の強化に2兆円程度としたことから、野党は5兆円分の使途を政府に事前に確定させ、説明させることが出来たとし、残りの5兆円は不測の事態に備え使用する際は国会で報告をするということで合意をしてしまいました。
たとえ、5兆円分の使途を明確にさせたとしてもかなり大雑把な説明であり、これで「ハイそうですか。」という野党もどうかと思います。
自民党の内部でさえ、延長すべきと言う声が出ていますが、それがまっとうな考え方でしょう。
石破茂元自民党幹事長は、「新型コロナウィルス対策や東京高検検事長の問題で納得したという人はまだ増えていない。そうであれば国会 を延長してでも納得していただけるようにしないといけない。追求されるのが嫌だから国会を閉じるのか。」、「国会は政府のやっていることを国民に理解して貰うためにある。Aを聞かれたら(争点をずらして)Bと答えるとか、あるいは閣僚席からヤジを飛ばすとか、そういうことになったら国民が納得しない。それをやったら、もう自民党は壊れてしまう。」と話しています。
安倍晋三氏はいつもいつも問題が起こるたびに「誠意を持って説明責任を果たす。」と言っていますが、その言葉を誰も信用していません。
今、世界は経験をしたことの無いパンデミックという緊急時の真っ最中です。
日本が緊急事態宣言を解いたとしても、この先何が起こるか分からないわけで、国会はいつでも開催できるようにしていなければなりません。
未だに1人10万円の給付金が手元に届いていない国民が多くいますし、いわんや持続化給付金に至っては、政府から事業を受託した「サービスデザイン推進協議会」が電通に再委託し、さらに電通は子会社に再々委託して、濡れ手にアワの合計104億円を中抜きしている問題も、なぜそうなったか明らかになっておらず、給付金を申請した事業者にもお金は届いておりません。
ましてや、こんな状況ですから安倍晋三氏は国際会議も無く外遊の予定もありません。
こんな時に国会を閉幕とすること自体、意味が判りません。
今年の国会を通年国会としても、国民の多くは納得するでしょう。
自ら審議権を放棄するのであれば、与野党とも議会の権能と議員としての責務を放棄することになるのでは無いかと思います。