国内に新たな基地はいらない
- 2010年04月19日
沖縄県民が反対し、徳之島の住民も反対の意思表明をしました。
マスコミや自民党などは5月末までに決着しなければ、鳩山首相の責任問題だと騒ぎ立てます。
それでは、あなた方は日本の何処に基地を持って行けばいいとお考えなのか。それを言わなければ卑怯であり、考えが無ければ、見守るべきです。
一方、鳩山首相は泰然自若のような対応をしています。
当初から私は、この問題は鳩山首相のしたたかな計算の中で進んでいるような気がしてなりません。
私見ですが、沖縄県も鹿児島県徳之島も反対して結構。そして、今後、日本国中のどの自治体が候補となっても、米軍の基地がくることに反対するでしょう。それで良いのだと思います。
アメリカは民主主義の国、反対している自治体に強引に基地をもっていくことにはなりません。従って、日本政府に自治体を説得するよう求めています。一方、日本も民主主義の国、ましてや国と地方自治体は同等であることを宣言している国です。
いくら日本政府が説得の努力をしても、自治体が反対すれば手の打ちようがありません。そして、おそらく全ての自治体は基地を拒否するでしょう
5月末には、米国に「日本の全ての自治体は米空軍基地を設置することに反対であり、候補地は有りません」と報告すれば良いのです。
そもそも、普天間の米海兵隊は約12,500人、この内、約8,000人がグアムに移転し、残るのは約4,500人のヘリコプター部隊です。
ヘリコプター部隊になぜ辺野古のV字滑走路やホワイトビーチ沖に構想中の滑走路が必要なのでしょうか。
米国は、万が一の時に備えてと言っていますが、万が一とは日本にとっての有事の時と想定します。
しかし、有事の時は「有事法制」が適用され、国内にある空港が使用できることになっていたのではないでしょうか。
それなのに、ナゼ滑走路が必要なのか。米国は米軍の一体的活用のために滑走路を求め、日本は相変わらずの建設利権構造が見え隠れします。
日本の全ての自治体で「基地NO」となれば、沖縄の嘉手納を除いて、日本国内には三沢、横田、厚木、岩国の空軍基地があり、そこに分散でもして移転する他、道はないのです。
国内でも、日米同盟に亀裂が入ると懸念する声もありますが、同盟が壊れてダメージを受けるのはむしろ米国のはずです。
米国の世界戦略上、日本は欠くことのできない位置にあり、ここに米国本土に次ぐ米軍基地が存在し、思いやり予算がふんだんに利用できる利点があるのです。
そして、毎年、30兆円とも言われる米国国債を買い続け、その上米国からの年次改革要望書によって様々な要求を受け入れ、アメリカに貢ぎ尽くしている日本との縁を切れるはずがないのです。
「日本は日米安保条約で守られ、米国の核の傘の中に居るから安全」ということも果たして本当なのか?
すでにご承知のように、北朝鮮が日本に核攻撃したと仮定して、米国は日米安保条約上から報復措置として北朝鮮に核攻撃をした場合、当然のごとく北朝鮮に米国攻撃の口実を与えることとになり、北朝鮮は米国の首都に核攻撃をするでしょう。
自国(米国)の国民と国土を犠牲にしてまでも日本を守るというのは妄想にすぎません。
鳩山首相は、主権国家として、普天間問題を期に米国へ「貴方の思い通りにはなりませんよ」と告げることになったのです。
鳩山政権は、米国が日本から出て行っても、自国の防衛に責任を持たなければなりません。
国民と様々な議論を重ね、とりわけ日本海のシーレーンの防衛強化を念頭にした構想を持つべきと思います。