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国民負担率(ブログ3162)

  • 2023年03月10日

 「国民負担率が47.5%になる見込み」ということが、テレビでも取り出されています。

 経済評論家の加谷珪一氏によると、<国民や企業が支払っている税金や社会保険料の総額を国民所得で割った数字であり、企業が支払う法人税や消費税等の他に厚生年金・雇用保険なども含めれているので、現実には年収400万円の方の負担は約80万円となり、約20%程度となる。>とのこと。

 これが多いか少ないかは一概に言えませんが、負担感は着実に増えています。

 1980年の厚生年金の負担率は約10%でしたが、今では約18%に上昇し、一方では、ここ20年余り給料は横ばいあるいは下落、雇用システムが変化し正社員の割合が減少し、非正規職員が増えたにもかかわらず、消費税の導入・税率のアップ、社会保険料の負担増の他、食料費や電気代、ガソリンなどが値上がりし、負担感に拍車をかけています。

 高齢化が着実に進む中、このまま給料が上がらなければ若い層の負担は増すばかりで、将来に不安を持つのは当然の事となってきます。

 岸田氏は「所得倍増」と言っていましたが、いつの間にか「資産所得倍増」と、言い換え、NISA(少額投資非課税制度)等を推奨し、ため込んでいる預貯金を投資に向かわせるように誘導していますが、投資が出来るだけ所得に余裕があるわけではありません。

 「貯蓄ゼロ世帯」は、ここ10年で「2人以上世帯」では20.6%→31.2%となり、「単身世帯」では29.9%→46.4%に上昇しています。

 ましてや、投資は博打で必ずリスクが伴います。元本が戻らなくても、溶けて無くなっても自己責任ということになります。

 iDeCo(個人型確定拠出年金)の推奨も、今後、年金が減額された場合のことを考えて「自分の老後は自分で責任を持て」ということだと思います。

 NISAやiDeCoを進める政府、その余裕がない30代・40代の現実。

 国民負担率(統計)は企業の負担も入っていることから、純粋に個人の負担だけではないにしても、今後はますます負担感が増大し、消費が冷え込むことになるでしょう。

 この解決には、労働者の賃上げ以外には方法がありません。

 経営者は、賃金を上げ、消費を促す事によりその恩恵が企業に返ってくるということを肝に据えて賃上げに努力してほしいものだと思いますし、政府も国民の将来不安を解消することに重きを置き、これ以上の国民負担を行わない、いや、その負担解消に努めるべきではないでしょうか。


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