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国葬とは・・・

  • 2022年07月17日

 安倍氏暗殺から、テレビなどは政治的テロという論評が多く、そのために安倍氏の功績を称える場面が多くなっていましたが、犯人山上容疑者の犯行動機が明らかになるにつれ、安倍氏の祖父・岸信介氏から連綿と繋がっている旧統一教会との関わりが明らかになってきました。併せて、旧統一教会と自民党国会議員との持ちつ持たれつ体質も続々表出。

 山上容疑者の母が教団にのめり込み、1億円以上もむしり取られていたために家族が悲惨な目に会い続けてきた怨念の発端が、教会を日本に招き入れ、拡大に手を貸しそして利用してきた岸信介氏であり、その孫の安倍氏が教団との付き合いを継続、その間、山上容疑者一家は、辛酸をなめ続けてきました。

 事件は決して政治テロでは無く、霊感商法、洗脳による強引な献金、教会による合同結婚式、などで人生をめちゃくちゃにされてきた多数の被害者という現実と、海外では「カルト集団」に指定されている教会を、何のためらいも無く「良い教会」と持ち上げてきた安倍氏への、強い被害者意識が犯行の底辺にあったものなのでしょう。

 言葉は適切ではありませんが、同じく教会の被害に遭った関係者の方々の思いにも繋がるのかもしれません。

 日刊ゲンダイに掲載されたジャーナリスト鈴木エイト氏の提供資料では、旧統一教会との関連がある国会議員は112人、関わりがある議員はその他にもいるとのことで、その中で自民党議員は98人(衆議院議員78人、参議院議員20人)、そのうち閣僚・党幹部経験者が34人に上り、第4次安倍第2次改造内閣では、閣僚20人中10人が教会関連だったとのことです。

 教会と国会議員の繋がりの頂点に居るのが安倍氏であったことからしても、山上容疑者のターゲットは絞られてきたのかも知れません。

 さて、暗殺と安倍氏の功罪を分けて考えなければならない事は当然です。

 岸田氏は、安倍氏を国葬とする理由に「安倍元首相を追悼するとともに、我が国は暴力に屈せず、民主主義を断固として守り抜くという決意を示していく。」と述べていますが、金子勝立正大学名誉教授は、<『戦後レジームからの脱却』を標榜し、一貫して民主主義と平和を掲げる日本国憲法を歪め続けたのが安倍元首相です。

 数の力に頼った強引な国会運営に走り、少数意見に耳を傾けず、解釈改憲で集団的自衛権を容認。安保法制を押し通し、米国と一緒に戦争の出来る国へと邁進。憲法53条に基づく野党の臨時国会の召集要請を無視し、国政私物化のモリカケ問題に頬かむりしたこともあれば、桜を見る会で118回も国会で虚偽答弁を繰り返しました。安倍元首相のどこに『民主主義を守り抜く』姿勢があったでしょうか>と述べています。

 そして、森友事件では安倍氏のために一人の命が失われました。

 安倍氏と同じ一つの命です。そして、カルト集団・反社会組織である教会との関係。

 国葬は、国民が心一つにして亡き故人を悼む、というのが根本に無ければならず、そこに税金を投入する理解も生まれると思いますが、今は、全ての国民が心一つになることは、逆に怖い気がします。

 国論を二分する「国葬」を、安易に閣議で決定する岸田氏の「空っぽ」さも怖いです。


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