国葬の経費は
- 2022年08月31日
岸田氏が復帰し、記者会見を開催しました。
その中で、安倍氏の国葬について、「約2億5,000万円という費用が発表されたが、警備費が含まれておらず、全体でどのくらいの費用となるのか。」という記者の質問に、岸田氏は「経費は、既定予算の中で支出されるものである。また、警備費は、具体的にどの程度の出席があるかによって違いが出てくるので、今の段階では明らかに出来ない。」と言う様な主旨で答えていました。
これも、質問に全く答えていない答弁です。
まず、支出が既定予算かどうかを聞いてはいません。
当然、この費用のために補正予算を汲んで、国会の承認を求めるなどという「愚」を犯すはずはありませんから、規定予算内で行う事は明らかです(コロナ対策の予備費が兆単位で計上されている)。
なぜ、警備費について想定される金額を言えなかったかというと、その額が膨大になるからであり、それを国民が知れば、国葬実施は更に避難を浴びることになるからです。
ちなみに、東京新聞が、例として世界各国の要人が集った皇位継承式典関係費を掲載しました。
この皇位継承式典では、警視庁は警備費として28億5,000万円、防衛省も要人輸送ヘリなどで2億5,000万円、外務省も要人の滞在費(国際的な儀礼では、接遇国から招待があった場合、自国と接遇国間の経費は自前で、接遇国内での経費は接遇国が負担することになる)で43億1,000万円の支出があったとし、その合計は74億1,000万円となります。
他に、2019年に開催された「G20大阪サミット」では、概算要求で外務省が開催経費として247億円、警察庁は警備費として124億円を要求しています。
岸田氏は、この国葬を利用して弔問外交を目論んでいますから、当然、サミットと同様の支出が想定されます。
さて、2億5,000万円という非常に少ない支出を国民に示し、事が済んでから全体の支出を示すとは、国民を相手に「後出しじゃんけん」をするようなものです。
後ろめたさが無いのであれば、記者会見で堂々と「皇位継承の時はこれだけの支出があり、G20大阪サミットはこれだけの支出があった。その事を参考にいていただければ。」と答えるべきだったのではないでしょうか。
いずれにせよ、会場設営費約2億1,000万円、会場費やバスの借り上げ費約3,000万円、合計約2億5,000万円は、ほんの一部の経費です。
世界190数国・地域に案内状を出したのですから、少なくても100億円は下らないでしょう。
岸田氏は、閉会中審議に自ら出席して丁寧な説明をすると話していましたが、そのためには、国葬の経費についても過去の各国要人が集ったイベントを例に出して、より具体的に説明してほしいものだと思います。