国連休戦決議（ブログ３３７８）
- 2023年10月29日
国連が休戦決議を採択しました。
国連安全保障理事会で出された休戦決議案は、国際的対立の中で拒否権を持つ常任理事国の拒否が相次ぎ、世界の安全保障に対する機能を発揮することが全く出来ない現実を露わにしました。
そのために、イスラエルによるガザ攻撃を憂慮する世界各国が、国連総会の場で「人道的休戦」を求める決議を採択する事になりました。
その内容は、「敵対行為の停止につながる即時かつ持続的な人道目的の休戦」、「即時にして完全、持続的かつ安全で妨害もされない人道目的のアクセス」、「イスラエルによるガザ北部からの避難命令の撤回」、不法に捕らえられた全民間人の即時かつ無条件の解放」などです。
この決議に米国は「ハマスを明確に非難していない」として反対、日本も米国と同様な理由で棄権をしました。
なぜ、日本は米国と足並みを揃えなければならないのか、明確に説明するべきです。
日本憲法の前文には＜日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。
われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永久に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。
われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和の内に生存する権利を有する事を確認する。
われらは、いずれの国家も、自国の事のみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍のものであり、この法則に従うことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立とうとする各国の責務であると信ずる。
日本国民は、国家の名誉をかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓う。＞とあります。
日本政府は、この憲法を守る事を義務づけられています。それが立憲主義です。
日本憲法を忠実に遂行するためには、今回の決議に賛成の立場を貫くべきです。
米国の友好国であり、ＮＡＴＯの一員であるフランスも自国の判断で賛成しています。
世界平和に対しても、日本政府は自国の平和とと同じように努めなければなりません。
「国際社会において名誉ある地位を占めたい」という決意は、主権者である国民の決意であって、政府がこれを無視する事にはなりません。
しかし、ここでも、日本国憲法の上に米国が鎮座するということなのでしょうか。
