在韓邦人退避計画
- 2017年11月25日
政府は朝鮮有事の際に韓国内にいる日本人の退避計画を策定する方針を決めたという報道が有りました。
さて、少し前にはなりますが、安倍晋三が安保法制の必要性を説明する時に言った言葉が思い起こされます。「北朝鮮が事を起こした場合、韓国在住の日本人救出のため協力してもらう米軍艦船などが攻撃された時に、自衛隊が米艦戦を防護するのは当たり前だ。」として、説明パネルに母親と子どもの絵を載せて、印象操作をしました。
そのパネルを見た国民は、「なるほど、日本人を救出してくれる米艦戦を防護するためには、集団的自衛権が必要だ」と思った事だろうと思います。
そして、この安保法制は与党の強行採決で国会を通過してしまいました。
それからしばらくして、朝鮮有事になった場合、米軍は果たして日本人を救出してくれるのだろうか?、まず自国民である米国民を救出することを最優先にするのではないか」という至極当たり前の疑問も話題になりました。
韓国内に滞在する非戦闘員の米国人は約20万人(米軍兵士の家族など民間人)とも言われています。
米国は、軍事攻撃を行う前に自国民の被害を最小限にするため、前もって紛争地域からの疎開を行います。
実際に、これまで幾度か危険な徴候が確認された時に駐韓米国大使が退去命令を出す準備をしたことが有りますが、これは回避されました。
仮に有事が迫った場合、20万人の自国民を艦船や航空機などで非難させるにしても大変な輸送力を必要とします。
従って日本人など構っていられないと言うのが現実です。
そして、在韓の日本人は毎日新聞によると約6万人にも上るとされています。
この度の政府の退避計画は、有事の際に在韓日本人の退避には米国軍には頼れないと、自ら認めたことに他なりません。
安倍晋三の説明は崩れてしまいました。
政府は民間機使用をメインにするようですが、約6万人の退避は300人乗りの航空機で200機必要となります。
民間機の周遊機数はANA231機、JAL220機(300人以下の小型・中型機、子会社分も含めて)となっています。
国内機の半分以上を使用することになれば、国内線や国際線にも大きな影響が生じることになり実効性に疑問も生じるます。
そのことも有ってなのか、日本はそれでも韓国と米国の事情を考慮しつつも、両国の協力を視野に入れているようです。
朝鮮有事で韓国から脱出すると言うことは、韓国内が攻撃されるという事が前提ですから韓国の協力は得られるはずも有りませんし、米国は先に述べたとおりです。
北朝鮮へは、対話しかないことは明らかではないでしょうか。