地方の支持は34.2%
- 2018年09月23日
自民党総裁選挙の地方党員・党友の票で石破茂氏が44.6%を獲得し、安倍晋三氏が55.4%を獲得したことが報道されました。
無論、国会議員票は圧力、締め付けで安倍晋三陣営が68%を占めましたが、地方の感覚は中央の思惑通りではないという現実を知らされ、来年の参議院選挙に向けて自民党の国会議員は、安倍晋三氏が選挙の顔となり得るのか戦々恐々としているのではないかと思います。
今回の選挙での党員・党友の投票率は61.74%となっていますが、党員・党友は全てが事前投票であり、投票しなかった方や無関心の方が4割近くにも上るということも国会議員には少なからずショックだったのかも知れません。
党員・党友になるには年間4,000円の党費を支払わなければなりません。
ということは、身銭を払っても自民党を応援するコア(核)の層と言うことになります。
その層の最大の関心事であろう総裁選挙の得票率が約6割であるということを改めて考えると、安倍晋三氏の得票率55.4%×党員・党友の投票率61.78%=34.2%ということになり、全党員・党友の34.2%しか安倍晋三氏に続投を認めていないということになります。
さらに日刊ゲンダイは、政治評論家・本澤二郎氏の言葉として「総裁選は公職選挙法の対象外だから何でもありだし、党員の投開票もいい加減なものです。“犬猫党員”という言葉もあるくらいで自分で会費を払って知人を勝手に党員にしてしまうことは昔からよくある。安倍政権では国会議員に党員獲得の厳しいノルマを課しているから尚更です。・・・投票用紙をかき集めて、一人で大量投票しているケースもあるでしょう。(党員党友票は各都道府県連ごとに開票することから)都道府県連の開票結果はメールなどで党本部に送られるそうですが、数え間違いや数字の入力ミスがあっても国政選挙のようなチェックは入りようもありません」という記事を掲載しています。
こんな事で選ばれた安倍晋三氏は、大きな声で「信任を得た」とか、「大部分の国民が認めてくれている」と言っていますが、国民が投票したのではなく、身内の自民党だけの投票、しかも地方では34.2%であるという事を分かっていないのか、それとも強がりなのか。
これで、内閣改造が留任者中心の改造ということになったら、国民への求心力ではなく遠心力が強く働く結果となるでしょう。