地方自治の在り方
- 2017年04月24日
衆議院憲法調査会が「国と地方の在り方」について参考人質疑を行いました。
北海道新聞は、参考人の意見陳述について総体的な内容を記載していますが、東京新聞では、沖縄に対する近年の国の対応について、参考人4人の意見を2回にわたって掲載していますので、少しまとめて再掲します。
<沖縄大学客員教授:小林 武氏(憲法学、地方自治法)>
・沖縄県名護市辺野古での米軍新基地建設を強行する政府については、「国と地方の対等関係をまっとうに理解したものとは到底言えない。」と批判。
・国政選挙、沖縄県知事選挙、名護市長選挙で基地反対派が勝利したことに触れ、「国が(選挙結果を)一顧だにしないことは、地方自治を蔑ろにするもの。住民は自らの運命を選ぶ権利を奪われる」と強調、改憲することは無く、地方自治を保障した憲法第8章の完全実施こそが求められ、根本的な行政権の自治体への委譲を求めた。
<明治大学教授:大津 浩氏(憲法学)>
・沖縄の問題は地方自治でも特に重大で、「沖縄は他地域と違う扱いをすべき。」と話し、「憲法は本来、条例が法律に優位となることが有ると解釈でき、改憲は必要ないが、政府がそうした解釈を取らない場合は改憲すべき。」と指摘。
・「包括的で幅広い権限を沖縄に委譲するため、憲法95条が定める住民投票を実施すべきである」とした。
<東京大学大学院教授:斉藤 誠氏(行政法、地方自治法)>
・基地の偏在は地方自治の侵害であり、「このことを沖縄が訴えても、裁判所はほとんど答えない。」と指摘、それを変えるため、そして国の過度な介入を防ぐために地方自治を詳細に憲法に書き込む必要が有る。」と主張。
<中央大学教授:佐々木信夫氏(政治学)>
・沖縄の民意と国家の意思のズレについて、「沖縄を独立した州とし、沖縄のことは沖縄で決める。知事を沖縄担当相とすることで国政に意見反映をさせては。」と提案。
・地方自治権と住民監視権などを憲法に明示することも主張。
と書かれています。
憲法調査会で意見陳述した4人の参考人が、いづれも沖縄における今の国の対応については異常であることを指摘しています。
そして、地方自治を蔑ろにする政府を批判、それに対抗すべき事項として地方自治権の強化を訴えています。