地方議会への圧力
- 2021年02月27日
選択制夫婦別姓の導入に反対する自民党国会議員有志の文章が、全国都道府県の議長宛に送付されました。
正確には、都道府県議会で自民党籍を有する議長に充てて発出した事から40議会の議長に送付したようです。
東京新聞に原文が掲載されており、それによると、「・・・本日はお願いの段があり、取り急ぎ、自由民主党所属国会議員有志の連盟にて、書状をさし上げることと致しました。 昨年来、一部の地方議会で、立憲民主党や共産党の議員の働きかけにより「選択制夫婦別氏制度の実現を求める意見書」の採択が検討されている旨、仄聞しております。
先生におかれましては、議会において同様の意見書が採択されることのないよう、格段のご高配を賜りたく、お願い申し上げます。
私たちは、下記の理由から「選択制夫婦別氏制度」の創設に反対しております。
・・・・・・」
・・・はその理由を5点述べています。
さて、有る目的を持った方々が地方議会に要請する場合は、請願・陳情という手法がありますが、この制度を無視して政権与党の衆参国会議員50名が連名で地方議会の、それも議長宛に、自分たちの意に沿わない意見書が出た場合反対するように要請しています。
このやり方は2つの間違いがあります。
まず、議長は議会において中立・公平の立場で民主的な運営を行う立場です。
従って、国会では衆参議長・副議長に就任したら党籍を離れます。
地方議会はそこまで厳格では無いことから党籍は離れませんが、所属会派とは距離を置きつつ、議会の秩序を保持し、中立・公平を旨として議事を円滑に運営する事に変わりは無く、従って、議会の各会派が提案する意見書を議長が意図的に採択または不採択とする立場にはないということです。
次に、国会議員が地方議会の議長に圧力をかけるようなことは、国と地方を対等の立場とする地方分権に背く中央集権的な行為であるということです。
自民党が、都道府県の議会において「選択制夫婦別氏制度」の意見書が出た場合に反対をして欲しいならば、自民党の県連に要請すべきではないでしょうか。
衆参の国会議員の方々が、そのこと自体に気がつかないとは、少々情けなく思います。
さらに、この要請文に名を連ねている「丸川珠代氏」は先般の森事件で大会組織委員会会長に就任した橋本聖子氏の後任として五輪相に就任しましたが、このポストは同時に「男女共同参画担当大臣」も併任します。
その大臣が要請文に名を連ね、更にその矛盾を指摘されると「信念は信念です。しかし、任務は任務として行います。」と話していますが、信念を簡単に曲げる人は信用が出来ません。本来ならば「男女共同参画担当相」は断るべきですが、受けてしまうという薄っぺらさも感じますし、任命した菅氏の底の浅さも露呈しています。
ご本人は、普段は本名の大塚珠代(夫の姓)で過ごし、政治・言論活動を行う際は丸川姓を使用しています。信念を貫くなら「大塚珠代」にすべきではないでしょうか。