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基準値振動

  • 2015年05月11日

 核発電所(原発)の再稼働に関する運転差し止め請求訴訟で、福井地裁は「運転差し止め」に、鹿児島地裁は「差し止め請求却下」という別々の判断を示したのはご存じの通りですが、毎日新聞によると、双方の違いは、電力会社が設定する「基準値振動」の考え方の違いによるものだと双方の地裁の見解を比較していました。

 『福井地裁の高浜核発電所(原発)は、活断層が起こしうる様々な揺れの平均値630ガルより少し強めの700ガルを基準値振動としましたが(同様の決め方は他の核発電所でも広く使われている)、05年~11年度までに全国各地の核発電所で基準値振動を超える揺れが5回も観測され、実際の地震では平均値の2倍以上の揺れが7%程度も有り、3倍、4倍の揺れも観測されていることから、電力会社が想定する基準値振動には「合理性がない」と結論づけをしました。

 似たような判断として、大津地裁は大飯核発電所(原発)の差し止め請求は却下しましたが、決定文で、「地震の平均像を基にすることに、どのような合理性があるのか」と疑問を投げかけ、「最大級の地震を基準とすべきだ」としました。

 一方、鹿児島地裁は、川内核発電所(原発)の基準値振動について「安全目標が達成されれば、人格的利益が侵害されることはない」として判断をしました。

 これに対し、規制委員会は「目標達成は確認していない」との見解を出しました。』との記事が掲載されました。

 誰が考えても、平均値は平均値であって、例えば震度1から震度が8までそれぞれ2回ずつ計16回の地震が発生していれば、その平均値は震度4.5になりますから少し強めの震度5を基準値にしたとしても、震度6~8まで6回の地震が発生する可能性を無視することにはなりません。

 揺れの基準値振動とは、その程度の参考数値であることを認識しなければならないと思います。


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