報復に終止符を
- 2015年02月07日
ISILによる日本人2人を含む人質殺害行為に対し、米国を中心とした有志国が50機を越す戦闘機でISILの施設に対し、集中的に空爆を行いました。
これまでにISILとイラク、シリア、ヨルダンなどの関連国の間にどれほどの死傷者が出たのでしょうか。
そのほとんどが民間人であり、家族や愛する人を殺された恨みを持った人が、報復のためにISILに参加しテロなどを実行、いわゆる報復の連鎖が繰り返されています。
非戦闘員や個人を政治目的のため無差別に殺傷するなど暴力による脅威を訴えることをテロと呼ぶのならば、ガザ空爆で数百人の子どもや女性を殺害したイスラエルや、これまでに民主主義の回復を錦の御旗にして幾多の国の紛争に介入し、民間人を含めて多くの被害者を作り出してきた米国はどうなのでしょうか。
特定集団だけではなく、れっきとした国が行うのはテロではなく戦争であるというならば、特定集団が行うこともテロではなく戦争と言うことにはならないのか。
憎悪に満ちた報復の連鎖ではなく、そのことからの離脱が大事なのではないでしょうか。
日本では、時代劇などで親を殺された子ども達が「仇討ち」することを義務づけられ、相手を探し出して勝負を申し入れる。返り討ちに遭うことも有りますが、どちらにしてもお互いにそのことを繰り返すというバカげたことが題材にされたドラマや映画を見たことがあります。そして、仇討ちの連鎖の無意味さに気付き、連鎖を断ち切るという結末を迎えるという知恵もかいま見えました。
しかし、安倍総理は「罪を償わせる」などと発言し、報復を示唆しています。
これは、ISILへの宣戦布告と取られても不思議ではない発言です。
報復が報復の連鎖を生むのは今の中東の現状を見れば明らかです。
日本は、この連鎖を断ち切る行動を、そして、ノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんが訴えている、貧困から抜け出すためには教育が重要であること、そして日本はそのことを実践する活動に力を注ぐ事が求められていると思います。