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壊れている雇用

  • 2014年02月03日

 これまで、ブラック企業についてブログでも取り上げ、議会でも道内のブラック企業について質問をしましたが、最近の新聞では学生のアルバイトにも「ブラックバイト」という現象が現れ、学生などから搾取している企業が有ることも判りました。

 6時間を超える長時間勤務に対し、休憩が欲しいと相談したら「来月から来なくてもいい」と言われたり、インターンシップとは聞こえがいいですが、長期間、社員と同様の仕事を無償、あるいは低賃金で働かせたり等、悪質な雇用が横行していることから、学生達も立ち上がり、「札幌学生ユニオン」を結成することにしたようです。

 また、道内181保育所でも、労使協定無視の時間外勤務を強いたり、時間外賃金の不払いや、給与に時間外分を含む固定残業代として取り決め以上の残業をさせ、その分の残業代を払わないケースなどが明らかになりました。

 さらに、アパレル関連会社で2ヶ月間も給料が支払われなかったりと、様々な雇用現場で信じられない事が起きています。

 しかしこれらは書類送検された事案だけで、実際には氷山の一角であることも推測されます。

 来月は、新卒の方々が希望に胸を膨らませ、社会人となりますが、新卒者が3年以内に離職する率は非常に高く、北海道では高校卒で51%、大卒で39%を超えています。

 往々にして、「若い者は根性が無いとか、我慢するという気持ちが無い」とか言われることが有りますが、精神論だけで括られない、労働者を使い捨てにする企業側のブラックな雇用実態があることを忘れてはいけません。

 さらに、政府は、経済財政諮問会議や産業競争力会議などで、「雇用の環境整備」が検討されています。

 これは、①業務内容が限定 ②勤務地が限定 ③労働時間が限定 のいずれかか、複数の要素を持つ場合、これを「ジョブ型正社員」と定義し、事業の再編などの影響で職務が無くなったりすると、これを理由に、事業者は雇用の確保の努力をせずに解雇出来るようにするというもので、これでは、大部分の労働者は「ジョブ型正社員」に当てはまることになり、簡単に解雇される立場になります。

 また、労働契約法において「解雇自由の原則」と「再就職支援金支給による解雇」をセットで明記することや、一定の年収があると、残業しても残業代を支払わなくて良い「ホワイトカラーエグゼプション」などが検討されています。

 雇用が壊れてしまうようなことを企業や政権が行い、そして行おうとしていることに私たちは怒らなければなりません。

 安倍首相の言う、「世界で一番、企業活動のしやすい国」ということではなく、「世界で一番働きやすい国」が本来の目指す姿ではないでしょうか。


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