外交は手つかず
- 2020年12月09日
ロシアのプーチン大統領が、領土割譲を目的とした行為に最長10年の懲役刑を科す刑法などの改正案に署名、改正法が発効したということです。
領土割譲を目的とした行為には6~10年の懲役が、行為の呼びかけには約43万円の罰金が科せられ、メディアやネットを利用した呼びかけは更に罰金を増額するなど、厳しい内容となっています。
ロシアには言論の自由に制約があるということは多く方が認識していることで、国家が国民を監視しているかのように思われます。
当然、プーチン大統領に対抗する政治勢力はその存在さえ許し難いものなのでしょう。
プーチン氏はこれまで首相を含めて20年間(プーチン氏が首相の時の大統領だったメドベージェフ氏はほとんど傀儡)ロシアに君臨していましたが、7月に憲法を改正して、最長2036年までの長期政権を可能としました。現在67歳ですが、2036年には83歳となります。
日本は、これまで北方領土のロシア住民との交流を深め、4島の日本帰属に理解を得る取り組みを行ってきましたが、仮にこの取り組みが功を奏して理解を示すロシア人が居たとしても、これからは、その方が領土に関して口を開くことは無くなるということになります。
日本とロシアとの協議は、国境の画定という限られたものになり、日本が北方4島をロシアの領土として認める以外の話し合いをロシアとして行うことは無いと7月の憲法で規定、今回は、ロシア国民が日本の考えに理解を示すことも禁じてしまいました。
ロシアの戦略になす術も無く、このままズルズルと今の状況を追認していくだけなのでしょうか。
さらに、政府はセンシティブな問題としてロシアとの北方領土交渉の方向性についても国民に明らかにせず、やっている感だけで逃げるつもりなのでしょうか。
菅氏は外交に弱いと言われていますが、極東アジアでは相手国のなすがままで1mmも進展がありません。
コロナを含めて「内憂外患」、内政は1強体制の中でごり押しする事が出来ても、外交は、まったく何も手がついていないことを憂います。