外交下手
- 2014年02月04日
昨日、「市民が主役の政治を創ろう!北海道フォーラム」主催の「講演と対談“リベラル再生の道筋”」という講演会が開催されました。
講演者は日本総合研究所:寺島実郎理事長、そして対談には北大大学院:山口二郎教授のお二人で、大変興味のあるお話をお聞きしました。
まず、寺島実郎氏から、今の国政の課題として①プチ・ナショナリズム症候群②株が上がった症候群 の二つについての見解が示されました。
このブログでは①について述べてみます。
『プチ・ナショナリズムは、韓国、中国に向けられたもので、偏狭のナショナリズムとなっている、まずはUN(ユナイテッド・ネイション)という解釈について、日本では「国際連合」と訳されているが、中国は「先勝連合国」と訳し、欧米では「戦勝国連合」と解されており、ここに、勘違いが生まれている。
日本のトップの靖国神社参拝は、これらの国にとって戦後秩序を壊す行為、富国強兵に戻ることが危惧される行為と受け止めている。
中国とアメリカは戦勝国としての共通点があり、昨年6月には米中首脳会談、11月にはバイデン副大統領が訪中、エネルギー原子力関連でも次世代の「ナトリウム原発」について手を握るなど濃密な関係となっており、アジア・太平洋の安全保障は両国で担うという構想を描いている。
このような中、仮に尖閣諸島問題で日中が衝突した場合でも、アメリカは「尖閣は日米安保に含まれるが、日中の領土関係には与しない。」という立場を取っており、日米で中国に対すると思っているのは日本だけ。』だそうです。
中国が防空識別圏を設定した時も、アメリカは建前上問題視していましたが、アメリカの民間航空会社には飛行計画を中国に提出させ、中国の邪魔はしていません。
国連常任理事国は戦勝国のアメリカ、中国、ロシア、イギリス、フランスとなっており、ドイツ、日本の敗戦国はいくら立候補しても常任理事国入りは難しいようです。
このような中で、安倍首相はアジアをどのようにしていく考えなのでしょうか、ロシアも含めた北東アジアへの構想を持っているのでしょうか。
地球外交を繰り広げていますが、上手くやっていかなければならない隣国である肝心の中国、韓国との関係が冷え切っていては、孤立してしまうだけです。
ここに安倍首相の外交下手が如実に表れており、自らの信念だけで突っ走り、周りを見て行動する広い視野に欠ける視野教唆的外交を行っています。
このままでは、日本を有らぬ所へ引きづりこみかねない危うさを感じます。