外交下手で交渉下手
- 2018年09月15日
プーチン大統領の突然の提案に対し、にやにや笑っているだけの安倍晋三氏、前日の日ロ首脳会談後の記者会見では、「北方4島の未来像を描く作業の道筋が見えてきた」と話、翌日には、そのプーチン大統領から「一切の条件無しの平和条約締結」を投げかけられ、言葉を失ってしまいました。
菅 義偉氏に至っては「日ロ関係の発展を加速したい気持ちの表れではないか」とトンチンカンな発言。
いくら繕っても、国民は、外交下手の総理の下では他国から手玉に取られ国益を損なうだけである事を見てしまったのです。
これで、1956年の日ソ共同宣言で言及した「平和条約締結後に歯舞・色丹の2島返還」も後退し、一切がゼロからのスタートと言うことになってしまったと思います。
ちなみに、北方4島の面積は択捉島:3,168k㎡、国後島:1,490k㎡、色丹島:251k㎡、歯舞諸島:95k㎡で、2島返還と言われている歯舞諸島+色丹島=346k㎡、残る国後島+択捉島=4,658k㎡、4島全体の面積5,003k㎡の内、日ソ共同宣言で返還とされている2島の面積はは全体のたったの6.9%で1割にも満たない面積です。
日本の主張は4島返還ですが、下手をすると2島も怪しいことになりました。
安倍晋三氏は、これまでプーチン大統領とは22回も会談を重ね、「ウラジミール、シンゾウと呼び合う仲」と二人の親密さを自慢していましたが、独りよがりだったようです。 同じように「ドナルド、シンゾウ」と呼び合う強固な関係、と言っているというトランプ氏には、「真珠湾を忘れない」と言われ、対日貿易赤字の解消に向けて多額の武器を買わされ、さらに国益を損なうであろう二国間貿易協定を迫られています。
そして中国は、日本を抜いてGDP世界第2位、いづれ米国をも抜き去る勢いで、中国主導の国際経済圏構想「一体一路」を進めており、米国に気を遣い遅ればせながら参加した日本は、歯牙にも掛けてもらえず、周 近平主席は、プーチン大統領と近づき、極東で共同軍事訓練を行うなど、米国への牽制を強く意識しており、米国ベッタリの日本には見向きもしません。
さらに、北朝鮮との日朝首脳会談は金 正恩委員長からも無視されてその日程さえも決められないままであり、拉致問題もこれまで同様に1mmたりとも進んでおりません。
唯一、気を遣ってくれている韓国の文 在寅大統領が、今回の北海道地震に対して直ちにお見舞いの言葉を発したのに対し、政府はすぐに謝意を示すことなく数日経ってからだったようです。
日本はこの方に外交を任せていていいのでしょうか、国内では仲がいいお友達を優遇して悦に入っていますが、いくらファーストネームを呼び合っても、外交はシビアなものであることを知らない無定見な安倍晋三氏の限界を見た国民は、危機感を持って糾弾すべきではないでしょうか。