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外国人実習生制度の限界

  • 2018年01月15日

 外国人実習生の労災(労働災害)死が14年~16年までに22人となっていることを厚労省が発表しました。

 新聞によりますと14年度が8人、15年度が9人、16年度が5人で、単純平均すると3年間の労災死は10万人当たり3.7人で、これは日本全体の労災死10万人当たり1.7人ということで、これは、日本人の労災死のほぼ倍の数字となります。

 日本の有効求人倍率の公式統計はパートタイムを含まない有効求人倍率の場合2014年度で1.44倍となっており、17年度の統計は出ていませんが、当然ながら倍率は高くなっているものと思います。

 しかし、倍率が高いのは建築現場や農業、水産加工、縫製などの現場となっており、これらの現場が日本人に敬遠され、外国人実習生によって支えられていることは周知の通りです。

 いわゆる、3K(きつい、汚い、危険)職場と言われる職種は、若い方々が敬遠する職場となっており、最近では、これに「給料が安い、休暇が少ない、かっこわるい」の3Kが加わった6K職場として、土木、介護の他、コンビニ、飲食店などの店員なども加えられてきましたし、都会ではコンビニや居酒屋の店員はほとんどが外国人労働者となっています。

 日本人が敬遠する職場でも当然必要な職種ですから、誰かがその変わりを務めなければなりません。

 外国人技能実習生制度は、昭和26年の「出入国管理及び難民認定法」とその省令を根拠に始まり、その後、今般の技能実習制度にともなって関連法案が制定され今に至っていますが、最近では昨年の11月から新たに「介護職」にも導入も認められてきました。

 ご存じの通り、介護職はこの3K(6K?)職場の代表的なものとして位置し、最近では高齢者施設での介護職不足が顕著になり、マンパワー不足から施設の運営に支障を来したり、人が集まらないことから施設が建設されても開設できない事例が増えています。

 これまで、前述した求人のままならない職場は、このように外国人実習生が支えてきましたが、もはや、外国人実習生制度という制度自体に限界が来ていることに、目をつむることは止めなければなりません。

 これらの外国人労働力無くして日本社会が成り立たなくなっていることは現実となっていますから、もはや小手先の弥縫策での対処は止めるべきではないでしょうか。

 日本もやっと、難民を受け入れる体制が芽を出してきましたが、それもまだまだ微々たる数字です。

 難民や外国人の移民を受け入れるためには、受け入れに対する国民感情や様々な問題点の検討が行われなければなりませんが、労働力不足と、国際的な潮流、外国人の移民政策と難民受け入れを逃げずに議論していくことが求められると思います。


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