多様な情報を知る
- 2016年09月28日
先日、札幌・紀伊國屋書店で開催された「沖縄基地問題と憲法を北海道で考える」というシンポに参加しました。
コーディネーターに北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター:岩下明裕教授、パネリストにはフリージャーナリスト・元沖縄タイムス記者:屋良朝博氏、沖縄国際大学:野添文彬准教授、北海道新聞・憲法企画担当記者:斉藤正明氏の3名が出席、憲法と安保の矛盾に戦後の沖縄が置かれたという歴史、防衛大学の教科書「安全保障学入門」には安全保障について、普遍的な概念が無いとされていること、抑止力とは精神的安心である等、私達の知らない現実や、目から鱗の話など興味深い話がなされましたが、特に、沖縄の海兵隊の任務は佐世保から出港した揚陸艦に乗り込み、アジア・太平洋地区の人道支援・災害支援を主任務として行っており、これには2013年から中国軍も参加しているこという話は、これまでの在沖米軍海兵隊に描いていた概念が全く違うことを知らされました。
沖縄の海兵隊は「31MEU(ミユー):海兵遠征隊」と呼ばれており、18,000人の海兵隊は、今後、グアム・オーストラリアに主力約10,000人が移動し、司令部と31MEUが残ることになります。
その任務は西太平洋での米国の同盟国である韓国やフィリピン、タイなど各軍との安全保障条約に伴う合同訓練や演習に参加し、隊員達は佐世保(長崎県)基地に配備されている揚陸艦に乗船し半年程度は沖縄を離れて活動しています(このことからも、沖縄にいる必然性は薄い)。
そして、「HA-DR(ハーダー):人道支援活動・災害救援」と呼ばれる活動を積極的に推進することとしています。
HA-DRの事例では、1998年にホンジェラスを襲ったハリケーン、2010年のハイチにおける地震災害、昨年起きたフィリピンにおける台風被害などに対応しましたし、私達が一番印象に残るのは、2011年3月に発生した東日本大震災での米軍「トモダチ作戦」でした。
すでに、2013年から沖縄の海兵隊と中国軍はHA-DRで共同の訓練もしていることを、私達は知らなければなりません。
早稲田大学の春名幹男客員教授の話では、
「安倍晋三は南シナ海で展開している米軍の『自由な航行作戦』に自衛艦も参加させたいと打診していますが、米国にとっては南シナ海に日中の歴史問題を持ち込まないで欲しいと考えている。
そして中国は、安保法制について、メッセージを出さなかった理由として、日本の自衛隊は米国のコントロール下に置かれているので相手にすることは無いと考えている。
米国も日本との同盟は「初歩的な同盟国(ジュニアな同盟国)」と見ている。
従って、安保法制が成立しても米国の管理下であり驚異では無い。相手にされていないということ。」とバッサリです。
私達は様々な情報を知り、自分なりに判断する訓練をしなければならないようです。