大災害の緊急事態対応
- 2018年07月26日
西日本の豪雨の犠牲者の数が日々塗り替えられ、その復興も猛暑の中で行われています。
未曾有の地域を飲み込んだ水害、そして土砂崩れ、まさに緊急事態と呼べる大災害となりました。
この災害に対する政府の対応については、様々な指摘がされています。
政府による災害対策本部の設置の遅れ、、「赤坂自民亭」、私邸での総理の休日、ダム一辺倒だった水量管理、砂防ダムのみの土砂管理、粗雑な森の管理、河川床の浚渫を行わない河川管理、ダム放流と避難指示の連絡齟齬、ハザードマップの不徹底などなど、これ以外にも日が経つにつれて不備が露出してきます。
安倍晋三氏は、やっとこの災害を「激甚災害」に指定しました。
平成20年から今回の西日本豪雨まで26の災害が激甚指定されており、その多くは、未だに完全復興までには至っておりません。
安倍晋三氏は、憲法を改正すると豪語し、その中に「緊急事態条項」を盛り込む考えを示しています。
その自民党憲法改正案73条の2には
「大地震その他の異常かつ大規模な災害により、国会による法律の制定を待ついとまがないと認める特別な事情が有るとき、内閣は法律と同一の効力がある制令を制定できる。」というものです。
そして、この時、「大規模災害が有ったときには、対策本部を国が設置し、指揮命令系統を一本化し、災害地域への対処を迅速かつ効果的に対応する」というような例を引き合いに出しましたが、災害経験地域の首長からは逆に「現地のことは現地が一番知っているので、国が指揮命令をするのではなく、権限を現地の首長に委ねて欲しい」との声が多く出されました。
今回の西日本豪雨の国の対応はどうだったのでしょうか。
5日夜に開かれた「赤坂自民亭」の6時間前の午後2時には気象庁が豪雨被害の拡大を懸念して会見を開き国民に注意を喚起し、京都、大阪、兵庫の16万人に避難勧告が出され、6日には8府県に特別警報が出され、約188万人に避難勧告が、その時にはすでに死者4名、行方不明21名、7日午前10時にやっと「大雨に関する関係閣僚会議」開かれましたが中身は15分、10時半には気象庁が記者会見を開き、「最大級の警戒」の必要性を訴えましたが、安倍晋三氏は閣議後には私邸に帰りゆっくり休日を過ごしました。
8日には死者75名、行方不明者28名となり、やっと政府に「非常災害対策本部」が設置され会議を行いましたが、これも20分間だけ、安倍晋三氏は午後から私邸でこれまた来客もなく過ごしました。
今回の政府の動き、「空白の66時間」を問われて、安倍晋三氏は「政府として万全な体制を取った」と話しました。
本当に万全の体制だったのでしょうか、この緊急事態に政府と安倍晋三氏が何をしていたかは先に触れたとおりです。憲法を変えると豪語したこの方に、緊急事態に対応できる能力と資質が備わっているのでしょうか。