大間原発さらに延期
- 2022年09月11日
大間原発の工事再開が2年延期となりました。
電源開発が規制委に新規制基準への適合審査を申請し、これまで、「敷地周辺の地質・地質構造・地下構造」などが概ね審査済みとなりましたが、「基準地振動(原発の耐震設計の目安となる最大の揺れ)」、「原発敷地内の地質・地質構造」、さらに「津波(想定される津波の最大値)」等が残っているとのことです。
この残っている審査項目が大変大事な要素となります。
敷地内の地質や敷地構造は、原子炉設置の基盤となるもので、長期にわたって安定的な岩盤などが求められ、原発設置後の構造変動が起きないことが絶対条件です。
また、基準地振動は、これまで、ブログにも掲載してきましたが、日本では2000年以後1,000ガル以上の地震は18回、700ガル以上の地震は30回を超えています。
一方、大間原発の基準地振動は650ガルで、まったく何の防備にもなりません。
ハウスメーカーの一般住宅の耐震設計の目安は、既に3,000ガルを越え5,000ガルとなっており、大間原発の650ガルは、一般住宅より数段劣る脆弱なものなのです。
さらに、津波の最大値は東日本大震災での判決でも明らかなように、防潮堤の高さに対する人的な不作為が原発事故の最大原因となっています。
自然の驚異は人知を超えるものです。
核燃料サイクル施設が26回目の延長となったと報道があったのは数日前のこと。
大間原発建屋の屋体は、本体の原子炉が設置されないまま、壁も無くネットに覆われていますが雨、潮風、風雪に晒されて鉄骨は錆に覆われ、無惨な姿となっています。
もはや、核燃サイクルと、その屋台骨となる大間原発にこれ以上の無駄金をつぎ込むのは、砂漠に水を撒くがごとしではないでしょうか。