大間原発への暗雲
- 2018年09月04日
大間原発に少しずつ暗雲が立ちこめ、工事の続行にも陰りが生じてきたようです。
使用済み核燃料を再処理し、出来上がったプルトニウムとウラン混合酸化物による「MOX燃料」を、燃料の一部として燃焼するプルサーマル計画。
そして、このプルサーマルで燃焼した「使用済みMOX燃料」を「高速増殖炉・もんじゅ」で燃焼し、ここからの使用済みMOX燃料を、更に第2再処理工場で加工して、核燃料のサイクルを作り上げて永遠に核燃料とする「核燃サイクル計画」。
電源事業者10社は、この第2再処理工場建設費用の積み立てを16年度から中止していたことが判りました。
つまり、「高速増殖炉・もんじゅ」の破綻から端を発した核燃サイクル計画を、事業者が自ら放棄し始めたことを意味すると思われます。
これまで数兆円の税金を費やした「もんじゅ」はナトリウム事故が続出し、全く実用の可能性が無くなり、今は廃炉に向け、燃料棒の抜き取り作業に入っていますが、空気や水に触れると発火してしまうナトリウムへの対処に難儀しており、これとて何年かかるか判りません。
加えて、現在青森県六ヶ所村で再処理工場の建設が進められていますが、総事業費約16兆円という巨額の費用が想定され、さらに全燃料をMOX燃料で運転する大間原発は原子力規制委員会の認可もまったく見通せてません。
高速増殖炉もんじゅの破綻、第2再処理工場の建設費用凍結、原子力規制委員会による新規性基準への適合審査の長期化と、大間原発の見通しや存在意義は徐々に弱まっているのでは無いかと思います。