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大阪「都」構想

  • 2020年10月18日

 大阪都構想の住民投票が告示され、11月1日投票となりました。

 大阪維新の会がその存続の根幹として主張してきた党の基本構想ということで、2015年にも住民投票が行われましたが、このときは反対票が多く断念、その後、新たな都構想を模索してこの度の住民投票となりました。

 前回は、橋下徹氏が中心となり、府と市の二重行政が無駄の象徴と主張し、この二重行政の解消と、政治・行政の中心地東京都、経済の中心地大阪都を標榜した取り組みでした。 前回の投票では大阪市の廃止は明記されていませんでしたが、今回は大阪市を廃止して特別区を設置することについての投票になります。

 現在の大阪市24区を大阪都4区に合区し、大阪市が持っていた権限・歳入を大阪都に吸い上げ、そこから4区に配分をするというもので、特別区設置に15年間の時間と1300億円の予算を投じるというものです。

 新聞赤旗には、<都構想の大きな目玉である「二重行政が解消されるのであれば良いのでは」との意見もありますが、松井市長自身が「今は二重行政は無い」と断言しており、元大阪府副知事の小西禎一さんも「有りもしない二重行政の解消のため、特別区設置に1300億円(15年間)もかけるのは馬鹿げた話だ。」と指摘している。>という記事が掲載されていました。

 住民説明会でも、「いま二重行政がないのであれば『都』構想をする必要はないのでは。」という質問に、松井市長は「今は府知事、大阪市長が同じ方向を向いているので二重行政はないが、人間関係では無く制度化するのが「都」構想だ」と説明しています。

 何だかおかしいですね、都構想の根幹が二重行政の廃止だったのに、いつの間にか『府』を『都』にすることだけが目的になってしまいました。

 そして財政シュミレーションに盛り込まれた施設の削減案の例では、

 ・市民プール    24カ所 →  9カ所

 ・スポーツセンター 24カ所 → 18カ所

 ・老人福祉センター 26カ所 → 18カ所

 ・子育てプラザ   24カ所 → 18カ所

 となり、大阪市から大阪都になれば住民サービスは大きく削減されてしまいます。

 これらの施設は府立であろうが市立であろうが、有ることによって困る住民はいないはずです。

 赤旗には、<やってみてダメだったら元に戻すということは、今の法律上不可能であり、一度決まったら片道切符です。>とも掲載しています。

 松井市長の頭にあるのは、2025年に大阪湾の埋め立て地「夢洲」で行われる日本国際博覧会(大阪万博)とその跡地を利用したカジノ構想で、経済の中心地にしようという事だけのようです。しかし、コロナ禍で明らかになったのは、インバウンドに頼らない体力のある経済、医療・福祉の充実した地方都市ではないでしょうか。

 もしも函館市が無くなり、北海道・道南区となったら、そして自治体として独自の予算が組めず、権限や歳入が北海道に吸い上げられ、北海道が予算配分することになったら函館市民は賛成するでしょうか。

 残念ながら、都構想はその目的が薄らぎ、さらに百害あって一利無しの構想に見えます。大阪市民の皆さんは軽いノリでは無く、じっくりと考えて判断して欲しいと思います。


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